人体の全ての総称として「からだ」という言葉があります。
この記事では、「からだ」と読むことができる「体」「身体」それぞれの意味や違い、そして使い分けについて具体的にご紹介していきます。
「体」「身体」の意味
「体」「身体」それぞれの意味は、下記の通りです。
②死体。義経記8「むなしき―に向ひて嘆き給ひけるは」。
③身体のうち、頭と手足を除いた部分。胴。胴部。
④1のあり方・健康状態・能力。
おそらく、大体が想像通りの意味だったと思います。
この「からだ」という単語には「体」と「身体」と表現することができます。実際に文字に起こす時に、どっちを使えばいいのか悩んだことがある人も多いでしょう。
では、どちらが正しい漢字なのでしょうか。そして、意味に違いはあるのかを次章からもっと掘り下げて解説していきます。
「体」と「身体」の違い/使い分け
ここでは「体」と「身体」の違いについてをご紹介していきます。
また、実際に使い分ける際の注意点にも触れているので、ぜひ参考までにご覧ください。
「体」と「身体」は英語でbody
「体」と「身体」は同じ意味であり、辞書などでも同じように扱われています。人に限らず、動物にも当てはめることができます。
また、二つの単語を英語に直すと、共に「body」と表現することができます。これらのことから二つは同じものであることがわかります。
「体」は固体、「身体」は心身を表す
それでも「体」と「身体」が使用されている文章を目にすることがあると思います。その場合には二つの単語は以下のように分けることができます。
- 体:固体としての肉体を表す時に使う。
- 身体:心身を表す時に使う。
「身体」には「身」という文字が含まれています。この文字には「身を引き締める」「身に染みる」といった精神的な要素があり、「相手の身を案じる」「身の程を知れ」といった立場や身分を表す際にも使用することができます。
そのため、二つの漢字を使い分ける際には「体」は固体、「身体」は心身を表すと覚えておきましょう。
「体」は常用漢字、「身体」は常用外
二つの言葉を「からだ」と読む場合に限り、「体」は常用漢字、「身体」は常用外となります。「身体」を常用漢字として使用する場合は「からだ」とは読まず「しんたい」と読みます。
そのため、公的な文書に記載されている「身体」は全て「しんたい」と読むので注意しましょう。
「身体」は人間だけに使用する場合もある
人間だけでなく動物、または物体まで幅広く使用することができる「体」という単語は、何を表すかによって使い分けることもできます。
「身体」には心身や地位的な意味が含まれていますが、心や精神、地位や立場などを持つのは人間だけに該当するので、「身体」はほぼ人間だけに使われることがあります。
また、同じ人であっても頭と手足を除いた胴体の部分だけは「体」と表現します。
これらのように何を表すかによって使い分けましょう。
「体」「身体」を用いた例文
基本的には、常用漢字である「体」を使えば間違いありません。もし、自分自身のことに着目して「からだ」を使うのでしたら「身体」を使って表現するのもありです。ここでは、それぞれの例文をいくつか紹介します。
「体」を使った例文
- 体を動かす
- 体の調子が悪い
- そのトレーニングは体に響く
- 体が堅い
「身体」を使った文
- 身体測定を行った
- 身体が元々弱い
- 身体を大切にしよう
「体」と「身体」の違い/使い分けのまとめ
以上、「体」と「身体」の意味や違い、使い分けについての解説でした。
- 「体」…固体としての肉体を表す。人間、動物、物体まで幅広く使える。常用漢字。
- 「身体」…心身、地位、立場を表す。人間を表現する場合に使用し、胴体だけの場合は「体」と書く。常用外。常用漢字の場合は「しんたい」と読む。
「体」と「身体」のように日本語には同じ意味を持つ漢字が多く存在します。もしどの単語を使用すれば良いのか迷った時は、日本語だけでなく英語などにも着目してみてください。
参考:広辞苑