保証 保障 補償の違い

「保証」「保障」「補償」の違い/正しい使い分けと例文

「保証」、「保障」、「補償」。パソコンで文章を打っていて変換予測に3つも出てきたとき、果たしてどれが正しいのか迷ったことはないでしょうか。

そこで本記事では、「保証」、「保障」、「補償」の違いや、正しい使い分け、例文をご紹介していきます。

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「保証」「保障」「補償」の意味

まずは、「保証」、「保障」、「補償」にどのような意味があるのかご説明します。

  • 「保証」:①大丈夫だ、確かだとうけあうこと。②〔法〕保証債務を負担すること。
  • 「保障」:①小城ととりで。 ②ささえ防ぐこと。 ③障害のないように保つこと。侵されたり損なわれたりしないように守ること。
  • 「補償」:①損害や出費を金銭などでおぎないつぐなうこと。②〔心〕(Kompensation ドイツ)身体や精神について劣等感を持つ時、これをおぎなおうとする心の動き。防衛機制の一つ。アドラーの用語。

引用:広辞苑

上記の通り、それぞれ微妙な意味とニュアンスの違いがあります。

「保証」「保障」「補償」の違いと使い分け

「保証」は「絶対に間違いない」といった意味で、広範囲に使用される言葉

「保証」は、「間違いなく、絶対問題ない」という意味で、色んなシーンで使える言葉です。

たとえば、「あの人は間違いなくできる方、私が保証します」という場合は、「太鼓判を押しますよ」といったようなニュアンスになります。口頭など、気軽に日常でも使われることが多いのが「保証」です。

「保障」は、政府や保険などによって約束されていることを表す言葉。ビジネスシーンなどフォーマルな場面で使用されることが多い

「保障」は、特に皆さんになじみが深いのが「侵されたり損なわれたりしないように守られること」といった意味ではないでしょうか。

たとえば、政府による生活の保障や、生保などの保険会社による万が一の保障に多く使われています。「保証」と比べて、よりフォーマルな意味合いが強いです。

「補償」は、公的機関が金銭的支援を行うときに使われる言葉

「補償」は、読んで字のごとく「補って償う」、つまり「損害を補填する」という意味です。

特に公的機関による「金銭補助」といった意味で使われることが多いです。たとえば、社会的不況や自然災害によって、人々や企業が受けた金銭的被害に対して、国がその分お金を抽出して被害分の金額を補うことが「補償」です。金銭に関して補填することが「補償」だと覚えておきましょう。

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ビジネスシーンでも使われる給与の「ほしょう」はどっちが正しい?

給与を「ほしょう」する、と表現する場合は「保障」が正解です。

上記でも説明したとおり、フォーマル(ビジネスシーン)で使用していることと、給与は必ず支払われるという約束であり、「侵されたり損なわたりしないように保つ」といったことからも、ここでは「保障」が正しい言葉になります。

金銭関係だから「補償」でも正しいのでは、と思う方もいるのではないでしょうか。確かに「お金」に関わることではありますが、「補償」の場合は、なにかしら被害や損害を被った場合に「補う」場合にのみ使われる言葉。給与は支払いを約束されていることで、補填されるものではないので「補償」を使用するのは誤りだといえます。

メーカー「ほしょう」はどっちが正しい?

電気屋などでよく見かける方もいらっしゃるのではないでしょうか。メーカー「保証」が正解です。

電化製品などを購入したときに付属されてくる「メーカー保証」と記載がある保証書を見たことはないでしょうか。これは、「購入後、メーカーが定める期限内に万が一破損や故障した場合に、必ず返金若しくは修理、交換といった形で保証します」という意味ですよね。期限内であれば絶対、という意味なので「保証」が使われるのです。

「保証」「保障」「補償」を使った例文

それでは、「保証」、「保障」、「補償」を使った例文を見てみましょう。

「保証」を使った例文

  • 来週お越しいただく講師は、間違いなく保証できる方です。
  • 購入した電化製品に同封されている「メーカー保証」の書類は、紛失しないこと。
  • 入院費用の連帯保証人として、ご家族どなたかの署名が必要です。

「保障」を使った例文

  • 生活保護制度によって、国民の生活は保障されている。
  • 社会保障制度には、社会保険や社会福祉などの種類がある。
  • 公務員は多くの義務を課される代わりに、「身分保障」によって守られている。

「補償」を使った例文

  • 今回のパンデミックにより、企業の休業補償が実施されることとなった。
  • 生命保険の補償内容をしっかり比較検討した上で、加入先を決めたい。
  • 労働基準法上、労災による補償給付の種類がいくつかある。

「保証」「保障」「補償」の違いまとめ

「保証」、「保障」、「補償」の違いや使い分けについてご紹介してきました。

  • 「保証」は、「絶対に、間違いなく大丈夫」といった意味。日常会話などでも気軽に使われることが多い
  • 「保障」:政府や保険などによって約束されていることを表す言葉。ビジネスシーンなどフォーマルな場面で使用されることが多い
  • 「補償」:公的機関が金銭的支援を行うときに使われる言葉

「保証」は広範囲で使用できる言葉、「保障」は「約束された」という意味で、ビジネスシーンなどフォーマルな言葉であること、「補償」は文字どおり「補って償うこと」なので、なにかしらの被害や損害を被ったときに、国が補填するいわば「金銭的支援」であるとポイントを押さえておけば、いざというときに使い分けができます。

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