「やむを得ない」「仕方がない」の違い/使い分けと用法例

どうしようもない状況などで使う「やむを得ない」と「仕方がない」という言葉。一見似た言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

  • 「やむを得ない」:ほかにどうすることもできない。仕方がない。
  • 「仕方ない」:①やむを得ない。②どうにもならない。③はなはだしく悪い。改めようがない。

引用:広辞苑

上記の意味を踏まえて本記事では、「やむを得ない」、「仕方がない」の違いや使い分けをご紹介していきます。

「やむを得ない」と「仕方がない」の違いと使い分け

実際に、「やむを得ない」と「仕方がない」を使った例文を見てみましょう。

  • やむを得ない事情があり、欠勤した。
  • バナナを食べたかったが売っておらず、仕方がないのでリンゴを買った。

意味はほぼ同じです。しかし、使い方のシーンが異なります。

「やむを得ない」はフォーマルな状況で使うことが多い

「やむを得ない」という言葉の「やむ」は「止む・已む」という漢字が使われています。漢字のとおり、「やめる、終える」という意味になり、「得る」は「可能」という意味(引用:広辞苑)なので、「やめることが不可能」=「どうしようもない状況(やめられないほどの状況)」において使われます。

ですから、例文にもある通り『止むを得ない事情で(やめられないほどの状況で)、欠勤した。』と使います。

さて、「仕方がない」との使い方の違いですが「やむを得ない」という言葉はビジネスや冠婚葬祭などフォーマルなシーンで使われることが多いです。

例えば結婚式や葬儀にどうしても行けない場合に「仕方ない理由で行けません」とは使いませんよね。そういう場合は「本来であれば出席させていただきたいところ、やむを得ない事情により欠席させていただきます」と、丁重にお詫びの言葉を添えるのが正解です。

このように「やむを得ない」の使い方は、フォーマルなシーンで使うのに適しています。

また、「やむおえない」と使う方が時々いますが、それは誤りですので注意しましょう。

「仕方がない」はカジュアルなシーンで使うことが多い

「仕方がない」は、本来は「仕方ない」と表現するのが正しい使い方です。

「仕方」は「方法や手段」という意味を持ち、その言葉に「ない」をつけると言葉どおり「方法・手段が無い」=「何かをしようとしていたが、これ以外に方法(選択肢)がない、行き詰まる」という意味になります。

そのため、例文にもある通り「バナナが売られていなかったため選択肢がない。だからリンゴを買った。」となるわけです。

「やむを得ない」との使い分けですが、「仕方ない」は例文の通り、日常生活でフランクに使われることが多いです。話し言葉でもよく使われるため、気軽に使える言葉になります。

「やむを得ない」「仕方がない」の用法例

「やむを得ない」の用法例

  • やむを得ない事情があり、欠席させていただきます。
  • パーティーを開催する予定だったが不幸があり、やむを得ず中止した。

「仕方がない」の用法例

  • 遊園地に行く予定だったが、大雨によって仕方なく自宅で過ごした。
  • 会いたかったけれど、仕事であれば仕方ないですね。

「やむを得ない」「仕方がない」の違いまとめ

「やむを得ない」、「仕方がない」の使い方についてご紹介してきました。

  • 「やむを得ない」は、フォーマルなシーンで使う
  • 「仕方がない」は、カジュアルな場面で使う

このように使う状況が異なりますので、しっかりと覚えて上手に使い分けてくださいね。