「能率」「効率」「生産性」 の違い/使い分けと用法例

同じような意味に感じる「能率」と「効率」と「生産性」 という言葉は、一体何が違うのでしょうか。「能率」と「効率」と「生産性」 の違いは次の通りです。

  • 「能率」:(一定の時間内の)仕事のはかどる割合。
  • 「効率」:その仕事をするのに消費した労力や時間から見た、成果の程度。
  • 「生産性」:①原材料の量や労働者の数に対して、製品の生産される割合。②どれだけ多く生産するかという度合い。

引用:三省堂「新明解国語辞典」

この意味を踏まえて本記事では、「能率」と「効率」と「生産性」 の違いや使い分けをご紹介していきます。

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「能率」「効率」「生産性」 の違いと使い分け

実際に「能率」と「効率」と「生産性」 を使った例文を見てましょう。

  • 能率的に仕事を進める
  • エクセルを使えば効率が良い
  • 古い機械だと生産性が低い

「能率」とは、「一定の時間内にできる仕事やそのはかり具合」という意味で「仕事の能率を上げる」や「能率的によく働く」などという使い方をします。「効率」とは、「使った労力に対し得られる成果の割合」のほか、 「機械などの仕事量と消費されたエネルギーとの比率」という意味でも使われます。「生産性」とは「生産力の度合や生産力があるという性質」という意味です。少し難しいかもしれませんので、使い方や例文で「能率」「効率」「生産性」を詳しくご紹介していきます。

「能率」「効率」「生産性」 の用法例

「能率」の使い方 / 例文

  • 気分展開をしたら仕事の能率を上がった
  • 人数が減ると作業の能率が悪くなる

「能率」は作業や業務などに費やした時間に対しどのくらい成果が上がった場合に使われます。例えば、ボタン付けを昨日は1時間に5個しか付けることができなかったが今日は1時間に8個付けられるようになった場合に「能率が上がった」という使い方をします。昨日よりもできなければ「能率が下がった」となります。

「効率」の使い方 / 例文

  • 空いた時間に効率よく家事をする
  • 集中して取り組むと作業の効率が高くなる

「効率」はその仕事に使った労力や時間に対し成果の割合がどの程度のものだったかを表す場合に使います。例えば、昨日は3時間かかった事務処理を今日は2時間半で処理することができた場合に「効率が良い」という風に使います。成果が下がった場合は「効率が悪い」となります。

「生産性」の使い方 / 例文

  • 新しい機材を導入したら生産性が高くなった
  • 従業員の業務を見直した結果、生産性が上がった

生産性とは、「いかに少ない生産力でどれだけ多くのものを作れるか」もしくは「あるものを作るにあたり、どれだけ効率的に生産されたか」ということです。例えば、あるモノを作くるときに新しい機械を導入したり、新しい人材を雇用したりした場合、いままでよりも多く生産できれば「生産性が高い」となり、少なければ「生産性が低い」となります。

「能率」「効率」「生産性」 の違いまとめ

「能率」と「効率」と「生産性」 の違いや使い方について解説してきましたが、ご納得していただけましたでしょうか。

  • 「能率」:(一定の時間内の)仕事のはかどる割合。
  • 「効率」:その仕事をするのに消費した労力や時間から見た、成果の程度。
  • 「生産性」:①原材料の量や労働者の数に対して、製品の生産される割合。②どれだけ多く生産するかという度合い。

「能率」とは、「その仕事に使った労力や時間に対し成果の割合がどの程度のもの」のことです。「効率」とは、「使った労力に対し得られる成果の割合」のほか、 「機械などの仕事量と消費されたエネルギーとの比率」という意味でも使われます。能率も効率も、仕事のはかどる割合や成果が上がれば「能率・効率が上がった(良い、高い)」と表現され、逆にはかどらなかったり、成果が下がったりすれば「能率・効率が下がった(悪い、低い)」となります。

「生産性」とは「いかに少ない生産力でどれだけ多くのものを作れるか」もしくは「あるものを作るにあたり、どれだけ効率的に生産されたか」ということです。何かを生産する際、機械設備や原材料、人材などが必要です。これらを生産要素と言います。つまり生産性とは、あるモノをつくるために、生産要素がどれだけ効果的に使われたのか成果の割合で示したものになります。

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