ちょうふく じゅうふく 違い

「ちょうふく」「じゅうふく」の違い/正しい読み方はどっち?

「重複」という言葉には、「ちょうふく」と「じゅうふく」といった、ふた通りの読み方があります。そのため、ビジネスシーンではどっちを使うべきかに悩んでしまった人も少なくないと思います。ビジネスシーンに限らず、ちょうふくとじゅうふくはどっちが正しいのかで迷うはずです。

そこでこの記事では、「ちょうふく」と「じゅうふく」はどちらの読み方が正式なのか、そもそもなぜ読み方の違いがあるのかを徹底解説していきます。

sponsor

結論:本来は「ちょうふく」が正しい読み方

広辞苑や有名辞書で「重複」と引くと、必ず「ちょうふく」と「じゅうふく」の読み方が2つ出てきますが、詳細に言葉の意味を書き記されているのは「ちょうふく」の方です。

「じゅうふく」に関しては、記載はあるものの説明なく「→ちょうふく」と記載して誘導しているため、正式名称は「ちょうふく」といって間違いないでしょう。ニュースアナウンサーも、「ちょうふく」を使用しています。

しかし、広辞苑等の辞典に「じゅうふく」という読み方の記載があるということは、それほどその読み方が広く浸透している、ということでしょう。正式名称ではないけれど、あながち間違いでもないということになります。

「ちょうふく」「じゅうふく」の違い

「重複」は「ちょうふく」と「じゅうふく」のふた通りに読まれる、と書きましたが、読み方が違うだけで意味の違いは特にありません。

ただ、やはり正式な読み方は「ちょうふく」なので、そちらの使用を推奨します。

なぜ「じゅうふく」が使われる様になったのか

これには諸説あり、なぜ「じゅうふく」と読まれるようになったのかはいまだに正式に解明されていません。

しかし有力説としては、「重大」や「重病」など「じゅう」と読む熟語のほうが圧倒的に多いからだと云われています。たしかに、「ちょう」と読む熟語だと「貴重」や「重宝」など少ないですね。そのため、人々が勘違いしたまま「じゅうふく」と読むようになったという説があります。

また、少し古いデータではありますが、平成16年に文化庁が「重複」の読み方について全国の16歳以上の男女3,000人にアンケートを取っています。なんと「ちょうふく」と読む方は20%、「じゅうふく」と読む方は76%以上という集計結果でした。圧倒的に「じゅうふく」が浸透しているのが分かるデータです。だから辞典にも「じゅうふく」という読み方が記載されているのもうなずけます。

そもそも「重複」の意味とは?

  • 「重複」:同じ物事が幾度も重なること。かさなりあうこと。じゅうふく。

引用:広辞苑

読んで字のごとく「重複」とは、「複数に重なる」ことを表している言葉です。たとえば、ある大切な事柄を伝えるために上司にメールをしたとします。ただ、もしかすると同じ内容のメールを同僚が連絡しているかもしれないときに、「内容が重複しているかもしれませんが…」というような使い方をします。

ビジネスシーンではどっちを使うべきか

ビジネスシーンでは、正式名称である「ちょうふく」を使いましょう。「じゅうふく」と読む方は少なくありません。

しかし、正しい読み方を知っているお客様や上司は必ずいます。そのときに、あなたが「ちょうふく」と読めば、「知識があるな」と印象も上がるかもしれません。本当にちょっとした事とは言え、大きなビジネスにつながるかもしれません。

正しい方の「ちょうふく」を使っていきましょう。

「ちょうふく」と「じゅうふく」の違いまとめ

「ちょうふく」と「じゅうふく」の違いについてご紹介してきました。

  • 「ちょうふく」は、辞典に説明文が書かれる正式名称。現に、ニュースアナウンサーも使用している。ビジネスシーンでも、プライベートでも「ちょうふく」を使用したい
  • 「じゅうふく」は、読み方だけ辞典に記載はあるが「ちょうふく」に誘導しているため、正式な読み方ではない。「重大」や「重鎮」など「ジュウ」と読む熟語が多いことから、人々が勘違いして「じゅうふく」と読むようになったのが始まり、という説もある

今回の「じゅうふく」のように、人々が誤用したのが一般化され、そのまま使用されるといった言葉は少なからずあります。

しかし、せっかく元々の正式名称があるのので、正しい読み方で使用していきましょう。

sponsor