英語の文法の中で使用される「過去形」と「過去分詞形」は、その言葉から同じものとして扱われがちです。しかし、実際に調べてみると二つの言葉には違いがあることがわかります。
ここでは「過去形」と「過去分詞形」の違いについてわかりやすく解説していきます。
「過去形」「過去分詞形」の意味
「過去形」と「過去分詞形」の意味は下記の通りです。
- 過去形……文法で、過去のことを表すときの言語の形態。
- 過去分詞形……英文法などにおける分詞。受動・状態などの意味で名詞を修飾する。また、助動詞と共に用い完了形や受動形を作る。
広辞苑より引用
「過去形」はその言葉通り、過去について触れているのに対し「過去分詞形」はやや複雑となっています。また、過去については一切記述されていないことがわかります。
「過去形」「過去分詞形」の違い
「過去形」は過去の状態・動作などを表す
「過去形」には以下の用法があります。
- 過去の状態・動作を表す(過去時制)
- 控えめな表現にする(助動詞)
- 現在のありえないこと、可能性の低いことを表す(仮定法過去)
言葉の意味をそのまま受け止めてしまいがちですが、ただ単に過去を表すだけではありません。
過去の状態・動作を表す(過去時制)
「私はいつも8時には出社している」
上の例文では、現在形を用いて習慣(現在)を表しています。しかし、これを「過去形」を用いた文章にすると以下のようになります。
「私は昨日、7時半に会社に出社した」
過去(昨日)の動作(出社した)と表すことができます。
控えめな表現にする(助動詞)
例えば、何かを聞いてほしいときにこのように言ったとします。
「聞いてくれますか?」
しかし、これを過去形を用いて控えめで丁寧な表現にすると以下のようにすることができます。
「聞いて頂けますか?」
これは、助動詞に置いたcanが過去形によりcouldに変化したことでこのような変化をします。
現在のありえないこと、可能性の低いことを表す(仮定法過去)
「あの時、母の言うことを聞いていれば、こんな事故を起こすことはなかっただろう」
上の文では「もしも~ならば」という、現在に反する仮定を用いたものです。
「過去分詞形」は受動態などをつくる
「過去分詞形」には以下の用法があります。
- 受動態を作る
- 完了形を作る
- 形容詞のように名詞を修飾する
- 分詞構文を作る
受動態を作る
「過去分詞形」は受動態の文章を作ることができます。
日本では多くの人がこの本を読んでいます
上の文では「多くの人」という主語が「読んでいる」という動作を行っています。
「この本は日本で多くの人に読まれています」
上の文では「読む」という動作が「多くの人」から受け取る形になっています。これが受動態の文章です。
完了形を作る
続いて完了形についてを説明します。
完了形とはそのままの意味で、終わったことに関しての説明を表現します。
- 「私は海外旅行に行ったことがある」
- 「学校に着いた時、すでに授業は始まっていた」
形容詞のように名詞を修飾する
名詞を修飾する形容詞とは、以下のような使い方をします。
- 「あの千切られた花を見なさい」
- 「私はアメリカ製の車を買った」
上のように、名詞がどのようなものか、どうなっているかについての文章を形容詞と呼びます。
分詞構文を作る
分詞構文は現在分詞と過去分詞を使うものがあります。今回は過去分詞に注目してみましょう。
丁寧な文書で書かれていたので、この本はとても読みやすかったです
上の文章を見ると「書かれた」という受け身の表現があります。同時に前半の文章では理由についても触れています。これが分詞構文を作るということです。