「おざなり」「なおざり」の違い

「おざなり」「なおざり」の違い/使い分けと用法例

一見似ている「おざなり」「なおざり」。

日常会話であまり使わないせいか、いまいち違いが分かりにくい単語ではありますが、違いは以下の通りです。

  • 「おざなり」:(1)当座をつくろうこと(2)その場のがれにいいかげんに物事をするさま
  • 「なおざり」:(1)あまり注意を払わないさま(2)いい加減にするさま(3)かりそめ(4)おろそか(5)ゆるがせ

引用:広辞苑

この意味を踏まえて本記事では、「おざなり」「なおざり」の違いや使い分けをご紹介していきます。

「おざなり」「なおざり」の違いと使い分け

それでは次に「おざなり」「なおざり」の違いと使い分けを見てみましょう。

  • あんなおざなりな仕事では、同僚に馴染めないのも当然だ
  • 今まで勉強をなおざりにしてきたツケが回ってきた

例文だけではいまいちピンときませんが、この例題には「おざなり」「なおざり」の違いが隠されています。

「おざなり」はいい加減な対応・態度を示す単語

「おざなり」はいい加減な対応・態度を示す単語。

その場を何とか逃れるためにいい加減で適当な対応・態度を取ることを示しています。

ただし、いい加減ではあるものの、何もせず黙認するのではなく対処はしている状況を表す時に使います。

「おざなり」は漢字で「御座形・御座成り(おざなり)」と書きますが、由来は江戸時代ではお座敷遊びする客をもてなす男芸者の隠語である「幇間(ほうかん)」別名太鼓持ちから来ています。

幇間(ほうかん)とは、自分の芸を見せると共に、舞妓(まいこ)・芸者と宴席の場を盛り上げ、お客をご機嫌にさせる役割があり、分かりやすく言うと今のピエロのような役割を担っていたのです。

幇(ほう)は助ける、間(かん)は人間関係を示し、人同士をつなげることを示していますが、御座形は時として手抜きの仕事をしていたため、いつしかいい加減な対処・状況を表す時には「おざなり」を使うようになったのです。

「なおざり」は特に何もせず放置することを示す単語

「なおざり」は起こった状況を知りつつ、特に何もせず放置することを示す単語。

目の前の状況に対し真剣に向き合おうとせず、そのままあっさりやり過ごし何もせず放っておく、特に深く考えないことを示しています。

「なおざり」は漢字で「等閑」と表す平安時代から使われている単語で、「等(なお)」はそのまま、しない・去りをしめす「せざり」が合体してできています。

 

「おざなり」「なおざり」の用法例

「おざなり」の使い方 / 例文

  • あの人の仕事はおざなりなので、信用していない
  • おざなりな対応をされたので、新規契約は難しそうだ

「なおざり」の使い方 / 例文

  • 二人の問題に向き合わずなおざりにしていたせいで、恋人にフラれた
  • 忙しさのあまり伝票処理をなおざりにして、経理に注意された

「おざなり」「なおざり」の違いまとめ

「おざなり」「なおざり」は一見似ているものの、意味は微妙に異なります。

  • 「おざなり」はいい加減な対応・態度
  • 「なおざり」は特に何もせずそのまま放置する

のように、「おざなり」は起こったことに対処するものの、適当でいい加減に済ませる、「なおざり」は起こった事実を知りながら、特に何もせず放置し何の対処もしないことを示します。

二つの単語の違いは、「おざなり=いい加減ながらも対処する」「なおざり=特に何も対処しない」と覚えておくと、簡単ですよ。