「ご多分」「ご多聞」の違い/使い分けと用法例

読み方が一緒の「ご多分」と「ご多聞」という言葉。「ごたぶんに漏れず・・」とたまに耳にすることもあると思いますが、どちらの漢字が正しいのでしょうか。

  • 多分:①数量の多いこと。多数。大部分。②大抵。大方。おそらく。
  • 多聞:多く物事を聞き知っていること。

引用:広辞苑

上記の意味を踏まえ本記事では、「ご多分」と「ご多聞」についてご紹介していきます。

「ご多分」と「ご多聞」の違いと使い分け

結論から言いますと、「ご多分に漏れず」が正解です。そのため「ご多聞」という言葉の使い方はしませんので、特にビジネスでこの言葉を使うときは気を付けましょう!

それでは、「ご多分」と「多聞」の例文を見てみましょう。

  • ご多分に漏れず、当社サービスの売上状況は芳しくない。
  • 多聞であることを、仕事や人生に活かしていきたい。

「ご多分」という言葉も、「ご多分に漏れず」という限定的な使い方なのでこの言い回しを覚えておくと便利です。

「多聞」という言葉はほとんど聞き馴染みのない言葉だと思いますが、このように使うことができるのです。また、「多聞(たぶん)」と「多聞(たもん)」と二通りの読み方があります。記事の後半で、その違いについてご紹介していきます。

「ご多分」は「ご多分に漏れず」だけに使う言葉。「多分」は数量や目安を表すときに使う

まず、上記でもお伝えした通り「ご多分」を使うケースは「ご多分に漏れず」という言い回しを覚えておけばOKです。「ご多分に漏れず」は、「変わらず、いつも通り」という意味を表します。言葉の分解をしていくと、「ご多分=ほかの大勢、大多数」から「漏れず」なので、「大多数の中にいて突出しない(漏れない)=他と一緒で変わらない」という意味合いとなるのです。

「多分」という言葉は、①数量が多いこと、②おおかた(目安)、という二つの意味があります。日常的に「多分、そうだと思う」といった「目安」の用法で使うことが多いのではないでしょうか。

一方で、数量がたくさんある、多くの、ということを表すときに「多分」を使うケースもあります。例えば人に親切にしていただいたときに、「多分なご配慮をいただき、ありがとうございます」と言うとスマートに見えますね。

「多聞」は物知りであることを表す

「多聞」はその言葉通り、「多くの物事を聞いている=物知りである」ということを表しています。ただ、日常ではあまり使われる言葉ではありませんので、意味だけ押さえておくと良いでしょう。

上記の説明で、「たもん」という読み方もあるとお伝えしました。その場合の意味は下記の通り、異なってきます。

  • 多聞(たもん):①城の石垣上の長屋。城壁を兼ね、兵器庫などに用いる。松永久秀が大和多聞城で始めたからいう。多聞櫓。 ②本宅の外周に建造した長屋。

引用:広辞苑

こちらもほぼ使われる言葉ではありませんが、この言葉を聞いたら江戸時代以降の建造物だと理解しておきましょう。

「多分」と「多聞」の用法例

「ご多分」「多分」の使い方/例文

  • ご多分に漏れず、当社サービスの売上状況は芳しくない。
  • 多分、君のやったことは正しかったと思う。
  • 多分なご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。

「多聞」の使い方/例文

  • 多聞であることを、仕事や人生に活かしていきたい。
  • 先生は多聞な方だ。

「多分」と「多聞」の違いまとめ

「多分」と「多聞」の違いや使い方について紹介してきました。

  • 「ご多分」は、「ご多分に漏れず」に使うことが多い。「多分」は、数量の多さ、目安を表す言葉
  • 「多聞」は、多くのことを知っている、物知りであることを表す

このように「ご多分に漏れず」は限定的な使い方であり、大体が「多分」を使います。

おそらく、といった意味で使われることが圧倒的ですが、ビジネスシーンでも数量が多いときに使うとスマートに見えます。一方で「多聞」はほとんど使うことのない言葉ですが、「たぶん」と「たもん」の二つの読み方があります。

「多聞(たぶん)」は物知りであること、「多聞(たもん)」は「江戸時代以降に使われた城の石垣上の長屋・建造物」だと覚えておきましょう。