「音読み」「訓読み」違い!見分け方は難しい?

普段から何気なく使っている漢字ですが、それを正しく音読みと訓読みに区別することはできているでしょうか。漢字は組み合わせによって実に様々な読み方があります。

【音読み】
漢字を字音で読むこと。おんよみ。

【訓読み】
漢字に日本語をあてて読むこと。くんよみ。

「広辞苑」より引用

上の紹介を踏まえて、音読みと訓読みの違いについてを紹介したいと思います。

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「音読み」と「訓読み」の違いと例単語

「音読み」と「訓読み」の違いについて紹介していきます。言葉では知っていても、人によってはなんとなくの解釈で覚えている人が多いと思います。ここでは「音読み」と「訓読み」の違いと例単語を交えながら説明していきます。

「音読み」は中国の発音をもとに読むこと

そもそも漢字とは中国で発案されたもので、それが後に日本へと伝わってきました。

その時、漢字と一緒に読み方も伝来しており、この読み方が「音読み」と言います。中国語の発音に基づいているので、「音を聞いただけでは意味が通じない」という特徴を持っています。

辞書の種類によっては、カタカタで表記されている読み方があると思います。これが「音読み」です。例えば「春」という字を調べると、以下のようになります。

  • 春…[音]シュン [訓]はる

辞書で調べ物をする時などには、こういったところにも着目してみてください。

「音読み」の例

ここでは「音読み」として読んだ場合、どのような読み方になるかの例を並べています。

  • 春…シュン
  • 夏…カ
  • 秋…シュウ(シウ)
  • 冬…トウ

「訓読み」は日本語の意味がわかる読み方

中国語の読み方が「音読み」であることがわかったかと思います。

対する「訓読み」は、中国から伝わった漢字に日本語の読み方を加えたものです。日本語の意味がそのまま読み方となっているため「読みだけで意味が通じる言葉」を指します。

  • 春…[音]シュン [訓]はる

辞書の種類によってはひらがなで書かれています。上の場合では「はる」が「訓読み」に該当します。

「訓読み」の例

ここでは「訓読み」として読んだ場合、どのような読み方になるかの例を並べています。

  • 春…はる
  • 夏…なつ
  • 秋…あき
  • 冬…ふゆ

「音読み」と「訓読み」の見分け方

「音読み」と「訓読み」についての違いを説明しましたが、実際にどのように見分ければいいのか。一々辞書で調べるのも時間がかかってしまいますよね。

下記では「音読み」「訓読み」の見分け方について説明しているので、ぜひ参考にご覧ください。

「音読み」の見分け方

中国語の読みがそのまま漢字に当てはめられた「音読み」ですが、これにはいくつかの特徴があります。

まず、音読みは必ず3文字未満に収まることです。例えば「正」という字を「ただしい」と読んだ場合は4文字となるので、訓読みであることがわかります。

しかし、たとえ3文字になっても「音読み」となる場合があります。例題でも挙げた「春」も「シュン」なので3文字です。

この場合の見分け方として、2文字目が小さい「ャ」「ュ」「ョ」であれば「音読み」と見分けることができます。「秋」は「シュウ」で3文字ですが、2文字目が「ュ」なので、これも「音読み」として扱うことができます。

また、これ以外にも見分け方があり、2文字目が「イ」「ウ」「ツ」「ク」「チ」「キ」「ン」で終わる読み方も「音読み」として区別することができます。

注意点として、「訓読み」にも「イ」「ウ」「ツ」「ク」「チ」「キ」「ン」で終わる読み方が混じっています。「靴」は「くつ」と読みますが、これは「訓読み」に該当します。

こればかりは辞書を使って調べるしかありません。少しでもおかしいと感じたら、正しい知識を身につけるためにも辞書を引く習慣をつけておきましょう。

「訓読み」の見分け方

「訓読み」は日本独自の読み方を漢字に当てたものです。上述した「音読み」の見分け方さえ把握していれば、その漢字がどちらに当てはまるかがわかると思います。

ただし、「音読み」の特徴を持っていても、「訓読み」として分類されるものがあるので、そういう時は辞書などで調べる必要があります。

「音読み」「訓読み」の違いまとめ

以上、「音読み」と「訓読み」の違いについてでした。

「音読み」
中国語の読み方をそのまま漢字に当てはめたもの。
音読みは必ず3文字未満に収まり、2文字目が「イ」「ウ」「ツ」「ク」「チ」「キ」「ン」で終わる読み方。2文字目が小さい「ャ」「ュ」「ョ」で終わる読み方が該当する。
「訓読み」
漢字に日本語の読み方を加えたもの。
音読みに該当するものでも、訓読みに分類されるものがある。

日本語はとても難しく、生粋の日本人でも間違えることが多い言語です。「音読み」「訓読み」はその代表例でもあり、海外の方が日本語を覚える時に躓いてしまうこともあります。

正しい知識を身につけるためにも、ここで説明したことだけを把握するのではなく、辞書などを用いて自分で調べてみることも重要です。

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