「聞く」「聴く」の違い/使い分けと用法例

「聞く」と「聴く」。この二つの言葉の意味にはどんな違いがあるのでしょうか。

  • 「聞く」:①聴覚器に音の感覚を生ずる。声・音が耳にはいる。②人の言葉をうけいれて意義を認識する。聞き知る。 ③他人から伝え聞く。 ④聞き入れる。従う。許す。 ⑤よく聞いて処理する。⑥注意して耳にとめる。傾聴する。 ⑦(「訊く」とも書く)尋ねる。問う。
  • 「聴く」:同上

引用:広辞苑

どちらも同じ意味ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。本記事では、上記の意味を踏まえその違いと使い分けについてご紹介していきます。

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「聞く」「聴く」の違いと使い分け

まずは例文を見てみましょう。

  • 先生の話はしっかり聞きましょう。
  • 相手が訴えていることが何なのか、しっかり聴くことが大切だ。

どちらも相手の話に耳を傾ける、という意味では同じですがニュアンスが違います。

「聞く」は能動的にも受動的にも、耳に入ってくる音のすべてを表す

「聞く」という言葉は、広く一般的に使われている言葉です。そのため、耳に入ってきたことはすべて「聞く」と表すことができます。自然音、会話、雑音・・・聞こえてきたものは全て「聞く」と表現します。そのため、使い分けに困ったら「聞く」という言葉を使いましょう。

「聴く」は能動的に、なにかを注意深く聞くことを表す言葉

「聴く」という言葉は、何かを注意深く聞くこと、またはその様子を表します。たとえば、「カウンセリングで相談者の悩みを聴く」、「同じ曲を何度も聴く」、「自然の中で葉音や鳥のさえずりを聴く」など、その音に集中してしっかり耳を傾けているさまを表します。

つまり、「傾聴する(耳を傾ける)」という言葉もある通り、「聴く」という言葉で表現すると良いでしょう。もちろん、「聞く」でも誤りではありません。

「聞く」「聴く」の用法例

「聞く」の使い方/用法例

  • 外で工事をしているのか、けたたましい音が聞こえてくる。
  • 隣の部屋から、女性が大笑いしている声が聞こえてきた。

「聴く」の使い方/用法例

  • カウンセラーとして、相談者の声をしっかり聴くことが大切だ。
  • 大好きなクラシックの曲を何度も聴くことが好きです。

「聞く」「聴く」の違いまとめ

「聞く」「聴く」の言葉の違いについてご説明してきました。

  • 「聞く」は、受動的、能動的に耳で聞こえたことすべてを表す言葉。そのため、「聴く」を使うべきか迷う場合には「聞く」と表現してOK。
  • 「聴く」は、自らその音を聞くために注意して聴くことを表す言葉。「傾聴」という言葉で使われている通り、その音に対して耳を傾けること。

使い分けに迷ったら、「聞く」と表現して間違いありません。一般的にも多く使用されている言葉ですので無難でしょう。しかし、ビジネスで文章を使う方であれば「聴く」の使い分けができた方がスマートです。ぜひ、上記のポイントを押さえて使い分けしてみてくださいね。

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