何らかの手段を用いて相手に伝える「報告」「連絡」「相談」。当たり前のように使っている言葉でも、実際に意味を聞かれるとどう違うのだろうと思う人も少なくはないでしょう。
- 「報告」:①しらせつげること。報知。「近況―」②ある任務を与えられたものが、その遂行の情況・結果について述べること。また、その内容。「―書」「事後―」
- 「連絡」①互いにつらなり続くこと。つらね続けること。②互いに関連すること。また、その関連。③相手に通報すること。相互に意思を通じ合うこと。「肉親に―する」「―がとれる」④つながりがあること。特に、交通機関の接続。「バスに―する」
- 「相談」互いに意見を出して話しあうこと。談合。また、他人に意見を求めること。「対策を―する」「―を持ちかける」「人生―」「―事」
「広辞苑」より引用
本記事ではこの意味を踏まえ、「報告」「連絡」「相談」の違いや使い分けについてをご紹介していきます。
「報告」「連絡」「相談」の違い/使い分けと用法例
まず初めに、「報告」「連絡」「相談」の例文を見比べてみましょう。
- システムの問題点を上司に報告した。
- 関係者に開催日の変更を連絡する。
- わからない問題があったので、先生に相談した。
似たような言葉でも、実際に場面を想定すると明確な違いがあることがわかります。
「報告」は、経過・進捗・結果を伝えること
「報告」は、任務や調査を行った状況で用いる表現で、途中経過・進捗状況・結果を知らせる時に使用します。
似たような言葉で「連絡」という表現があります。間違われやすい言葉でもありますが、この二つの違いは目的にあります。
「報告」は現在の状況をわかりやすく知らせることにあり、ビジネスシーンでは、どういった経過をたどり、どのような事態が起きているのかを伝える際に使用することが一般的でしょう。
「連絡」は知り得た情報を知らせること
「連絡」には関連がある、という意味もありますが、一般的には自分が知り得た情報を相手に伝える際に使用することが一般的となっています。
上記でも記載してありますが、「連絡」は「報告」と間違われやすい言葉です。この二つは目的に違いがあり、「連絡」は相手に今起きたことを簡潔に知らせる際の表現として使用します。
一方で「報告」は、状況分析などの詳しい内容を伝えることが主となっています。単なる事実を伝えるだけであれば、「連絡」が適切です。
「相談」は自分の意見や考えを聞いてもらうこと
「報告」「連絡」は状況を知らせる表現ですが、「相談」はその状況下で判断に困ったことに対してアドバイスや指示をもらい、疑問や問題を解決する時に使用します。
相手と談話をするという言葉で成り立つ「相談」は、自分から一方的に伝えるだけでなく、相手と話し合うことも含まれます。
「報告」「連絡」「相談」の用法例
ビジネスシーンではよく使用する「報告」「連絡」「相談」の三つの言葉ですが、実際にどのような文例があるのでしょうか。以下に使用例をご紹介します。
「報告」の使い方/例文
- クレーム品の調査結果をご報告させていただきます。
- プロジェクトの進捗状況を報告する。
「連絡」の使い方/例文
- 事故現場に遭遇したため、警察に急いで連絡した。
- 卒業旅行に関して、幹事から連絡がきた。
「相談」の使い方/例文
- 成績が伸び悩んでいることを担当の先生に相談した。
- 今後の方針について仲間と相談し合った。
「報告」「連絡」「相談」の違いのまとめ
以上、「報告」「連絡」「相談」の違いについての紹介でした。
- 「報告」は、現在の状況をわかりやすく相手に伝えること。
- 「連絡」は、今起きたことを簡潔に述べること。
- 「相談」は、相手と話し合い問題を解決すること。
似たような意味を持つ言葉の場合、実際の場面を想像してみるとわかりやすいかもしれません。