「絶体絶命」「絶対絶命」の違い/使い分けと用法例

「絶体絶命」「絶対絶命」では漢字が少々違うだけで意味合いも同じだと思うでしょうが、二つの四字熟語の読み方の違いは以下の通りです。

  • 「絶体絶命」「絶対絶命」:(1)体も命も極まるほどの、とうていのがれられない困難な場合・立場にあること(2)のっぴきならない場合

引用:広辞苑

この意味を踏まえて「絶体絶命」「絶対絶命」違いや使い分けをご紹介していきます。

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「絶体絶命」「絶対絶命」の違いと使い分け

それでは次に「絶体絶命」「絶対絶命」の違いと使い分けを見てみましょう。

  • ウソが恋人にバレてしまい、別れを突きつけられたことで「絶体絶命」の危機におちいっている
  • 契約更新を断られ、今月の営業成績は絶対絶命の大ピンチだ

どちらも何の違和感も感じませんから読み飛ばしてしまいそうですが、実は「絶対絶命」のような単語は日本語には存在せず、誤用として世間で使われ続けているのです。

「絶体絶命」は現状から逃げられない状況

「絶体絶命」は九星術で凶を示す星の名前が由来の単語。

「絶体」「絶命」は元々凶を示す星の名前でしたが、肉体の限界、今にも体が失われてしまうような状況を「絶体」、命が終わる状況を「絶命」。

双方の単語を組み合わせることで、これ以上は難しいほどギリギリ、切羽詰まった状態、逃れられない窮地の事態に追い詰められている状況を示す四字熟語として使われるようになりました。

目の前にどうしようもない現状が立ちふさがり、後にも引けない、逃げることもできない状況を示しますから、何度も連発すると追い詰められた感が失われてしまうので、使いどころを間違わないようにしましょう。

「絶対絶命」は間違った使い方

「絶体」よりも「絶対」の方が使う場面が多いせいか、「絶体絶命」より「絶対絶命」の方が正しいと思い込んでしまいそうですが、「絶対絶命」は誤用、間違った使い方です。

「絶対」は(1)他に並ぶもののないこと(2)他との比較・対立を絶していること(3)一切から制限・束縛されないこと(4)決して、断じて(5)どんなことがあっても必ず

のような意味があります。

「絶体」と「絶対」では意味が全く異なりますので、「絶対絶命」ではなく「絶体絶命」を使いましょう。

「絶体絶命」の用法例

「絶体絶命」の使い方 / 例文

  • 会社が倒産寸前だと知り、絶体絶命の危機に不安を隠せない
  • 交通事故で頭に大けがを負い絶体絶命の危機だったが、今は元気で働いている

「絶体絶命」「絶対絶命」の違いまとめ

「絶体絶命」「絶対絶命」の違いや使い方についてご紹介してきました。

  • 「絶体絶命」は現状から逃げられず、後にも先にも進めない状況を示す時に使う
  • 「絶対絶命」は間違いなので、誤用しないよう注意する

「絶体絶命」は大ピンチな時限定で使う単語ですから、他人から見ても些細な状況の時に使ってしまうと、文章に信憑性が失われてしまいます。使う際には十分に注意しましょう。

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