「しづらい」と「しずらい」「しにくい」はどちらを使っても意味が通じてしまうため、どの単語を使っても支障がないように感じますが、それぞれの意味を見てみましょう。
- 「しづらい」「しずらい」「しにくい」:(1)することがむずかしい(2)やりにくい
引用:広辞苑
意味を並べてみてもどう違うのか分かりにくく、どれも似通った意味に感じますが、この意味を踏まえて本記事では、「しづらい」と「しずらい」「しにくい」の違いや使い分けをご紹介していきます。
「しづらい」「しずらい」「しにくい」の違いと使い分け
「しづらい」と「しずらい」「しにくい」は明確な違いがありますが、実際にはどの単語を使っても意味が通じてしまうため、その場の気分で適当に使ってしまうことも少なくありません。
- 約束していた時間より遅くなったので、自宅へ帰りづらい
- この例題は理解しずらいので、説明するのは骨が折れそうだ
- 上司はいつも不愛想なので、仕事上のトラブルを報告しにくい
どの例文も意味が通じてしまうため、意識しないと明確な使い分けが分かりませんが、違いと使い分けは以下の通りです。
「しづらい」は心理的・肉体的につらい状態を示す
「しづらい」「しずらい」どちらも大した違いがなく、どちらでもいいのではと感じてしまいそうですが、正確には「しずらい」ではなく「しづらい」が正しいです。
「しづらい」はする(動詞)+辛(つら)い(節尾語)からなる単語。
「しづらい」は心理的に罪悪感・抵抗感、肉体的に苦痛を感じる時に使われることが多く、~つらいと表現しないのは「~しつらい」よりも「~しづらい」の方が、スムーズに使えるため、濁点を追加し読みやすくしています。
「しずらい」は間違った単語
「しずらい」「しづらい」は読み方が同じではありますが、使い方としては間違っています。
世の中では「しづらい」「しずらい」を混合しており、どちらが正しいのかあいまいなまま使用している状況です。
人によっては「しづらい」より「しずらい」の方が使いやすいと感じていることも多いですが、正式には「しづらい」が正解ですので、使う場合には「しづらい」で統一しましょう。
「しにくい」は物理的に難しい状態を示す
「しにくい」は漢字で表すと「し難い」と書き、何かをするのが難しい状況を表す時に使います。
例えば「足が痛く移動しにくい」のように、物理的に困難な状況を表す際に使われます。
「しづらい」「しにくい」の用法例
「しづらい」の使い方 / 例文
- さっき叱られたばかりなので、妻に話しかけづらい
- 先週買ったバッグのデザインは気に入っているけど、少々使いづらい
「しにくい」のの使い方 / 例文
- 辞書の文字が小さいので、文字が読みにくい
- ライブ中は音がうるさく、隣りの友達に話しかけにくい
「しづらい」「しずらい」「しにくい」の違いまとめ
「しづらい」「しずらい」「しにくい」の違いや使い方についてご紹介していきました。
- 「しづらい」(しずらい)は肉体的・精神的に辛(つら)い・大変な状態を表す
- 「しにくい」は単純に難しい、物理的にやりにくい状態を表す
「しずらい」誤用であり「しづらい」が正しい使い方であること、「しにくい」は単純に物理的にやりにくい・難しい時使うと覚えておくと理解しやすいでしょう。