「体験」「経験」の違い/それぞれの意味と用法例

何かを試しに行うことを表す「体験」と「経験」という言葉。どのような違いがあるのでしょうか。

  • 「体験」:自分が身をもって経験すること。また、その経験。
  • 「経験」:①人間が外界との相互作用の過程を意識化し自分のものとすること。人間のあらゆる個人的・社会的実践を含むが、人間が外界を変革するとともに自己自身を変化させる活動が基本的なもの。 ㋐外的あるいは内的な現実との直接的接触。 ㋑認識として未だ組織化されていない、事実の直接的把握。 ㋒何事かに直接ぶつかる場合、それが何らかの意味で自己を豊かにするという意味を含むこと。㋓何事かに直接にぶつかり、そこから技能・知識を得ること。 ②〔哲〕感覚・知覚から始まって、道徳的行為や知的活動までを含む体験の自覚されたもの。

引用:広辞苑

「体験」の意味には「経験」が含まれていて、一方で「経験」は多くの意味を持っており分かりにくいと思いますが、明確な違いがあります。本記事では上記を踏まえて、明確な違いと使い分けについて説明していきます。

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「体験」「経験」の違い/使い分け

まずは例文を見てみましょう。

  • 料理教室の無料体験があったので、試しに行ってきました。
  • この会社で得た経験は、きっと次のキャリアステップに役立つだろう。

「体験」は気負うことなく試せることで、「経験」は自身の将来に活かせる貴重なことを表しています。下記で詳しくお伝えしていきましょう。

「体験」は、事前準備などすることもなく気軽に試せることを表す

「体験」とは言ってしまえば、気軽に何かを体感することを表す言葉です。たとえば、「〇〇の無料体験教室!」など広告を目にすることも多いと思いますが、その体験をすることによって、深く学べたり、技術を得られたりするわけではありません。特に事前準備も必要なく、とにかく行って体感してくること、それが「体験」です。

「経験」は、将来に活かせるような知識や技術を会得することを表す

「体験」とは反対に「経験」は、何かを深く学んだり、知識・技術を会得したり、といった場合に使われることが多いです。学校や仕事で得られたことが、次のステップや将来的に活かせることを指します。「経験」をする前に、そのことについて調べるなどあらかじめ事前準備をするケースも。

「体験」「経験」の用法例

「体験」の使い方/例文

  • 子ども向けに開催された「宇宙体験イベント」は、来場者の満足度が高かったようだ。
  • 子どもたちには、まずはなんでも体験させることが大切だ。

「経験」の使い方/例文

  • 前職で5年間、営業職に従事した経験を活かして、転職先で頑張りたい。
  • 海や川、森など自然のなかで過ごした経験は、いま役立っているだろう。

「体験」と「経験」違いまとめ

「体験」と「経験」の違いについてご紹介してきました。

  • 「体験」は、気軽に何かを体感することを表す言葉
  • 「経験」は、将来に活かせるような知識や技術を会得することを表す言葉

サラッと気軽に体感することが「体験」、しっかり深く自分のために取り込むことが「経験」だとポイントを押さえておけば間違いないでしょう。状況に応じて、上手に使い分けてみてくださいね。

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