勤めていた会社を辞めるときによく使われる「退職」と「離職」という言葉。たしかにこの二つの言葉は似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
- 退職:現職を退くこと。
- 離職:①職務から離れること。 ②職業から離れること。失業。
引用:広辞苑
上記の意味を踏まえ本記事では、「退職」と「離職」の違いについてご紹介していきます。
「退職」と「離職」の違いと使い分け
まずは「退職」と「離職」の例文を見てみましょう。
- 定年の65歳になったので、長年勤めていた会社から退職した。
- 半年前に会社を辞めて以来、ずっと離職中です。
仕事を辞めていること自体には両方の言葉とも変わりはありませんが、使い方が異なります。ポイントは、「退職」は辞めた事実であること、「離職」は辞めた状態を表しているという違いになります。
「退職」は、勤めていた会社との労働契約が終了した事実そのもの
「現職から退く」という意味の「退職」という言葉ですが、これは現職と本人との間から、労働契約が解除された事実そのものを意味しています。
転職活動の面接などで「前職の退職理由を教えてください」と聞かれることも多いと思いますが、これは厳密にいえばなぜ辞めたのか(労働契約がなくなったのか)を聞くため。
自己都合なのか、会社都合なのか、様々な理由(労働契約が終了した事実)を確認するために「退職」という言葉を使っています。
「離職」は、退職等によって仕事から離れた状態そのものや、その期間を表す言葉
「職を離れる」という意味の「離職」という言葉。
これは、退職や失業した上で仕事を辞めている状態やその期間を表現しています。「離職期間を教えてください」と聞かれた場合、「前職を退職してから、現在までの仕事をしていない期間」を答えますよね。
よって、「離職」とは「退職」と違って広い意味での仕事を辞めている状態と期間を表現します。
「退職」と「離職」の用法例
「退職」の使い方/例文
- 退職理由は、人間関係によるものだ
- 26歳のときに、1社目を退職した
「離職」の使い方/例文
- 離職中に、職業訓練学校に通った
- 現在は、家庭の事情により離職中です
「退職」「離職」の違いまとめ
「退職」と「離職」の違いや使い方について紹介してきました。
- 「退職」は、勤めていた会社との間の労働契約が終了した事実そのものを表す言葉
- 「離職」は、退職して仕事を辞めた状態そのものを表す言葉、または仕事を辞めている期間のこと
仕事を辞めている期間を表現するとき「離職中」と表現しますが、「退職中」とは言いませんよね。なぜなら、「退職」はやめた事実そのもののため、進行しているものではないからです。
退職は、「実際に勤めていた会社との労働契約が終了した事実」、離職は「仕事をしていない状態・期間のこと」だと押さえておき、上手に使い分けられるようポイントを押さえておきましょう。