大都市以外の地域を言い表す際、あなたは「田舎」と「地方」、どちらを使いますか?
- 「田舎」:①都会から離れた土地。在郷ざいごう。ひな。地方。 ②郷里。故郷。「―に帰る」「―の母を呼ぶ」 ③「いなかじるこ」の略。 ④「卑しい」または「粗暴な」の意を表す語。
- 「地方」:①国内の一部分の土地。②首府以外の土地。いなか。③旧軍隊用語で、軍以外の一般社会。娑婆しゃば。
引用:広辞苑
意味は同一なのですが、実際に明確な使い分けの定義はありません。しかし、時と状況によって使い分けする場合もあります。本記事では、上記の意味も踏まえながらご説明していきます。
「田舎」「地方」の違い・使い分け
まずは例文を見てみましょう。
- あの人は若いときに田舎から出てきて、今まで一人で頑張ってきた。
- 私の両親は、地方に住んでいます。
どちらもほぼ類似した言葉で、現在もはっきりとした区別はされていないのですが、2点明確な違いがあります。
「田舎」は自然豊かな場所・人口が少ない場所を表す
「田舎」は、自然豊かな場所や人口が少ない土地を表します。たとえば、農村や漁村など、地方の中でも特に人家が少なく、ひとけのない場所等を表現する際に用います。
そもそも「田舎」という言葉は奈良時代に生まれた言葉。その頃に平城京などの都が建てられ、都に住む貴族と、都の外壁に住む住人をはっきり区別するために「田舎」と呼ぶようになったと云われています。そのため、現代でもしばしば都会在住の人が、都会以外の土地を貶めるような言い方で使われることもあるのです。
「地方」は田舎も含む、主要都市以外の地域全体を表す
一方で「地方」は、主要都市(東京や大阪)以外の土地全域を表します。そのため、田舎も含めた意味となっています。加えて、「地方都市」という言葉も存在します。これは、地方のなかでも人口が多い地域を指します。
また、ビジネスシーンでも「地方」を使用した方がスマートに見えます。特に、「田舎=差別用語」と思う方もいらっしゃるので、気を付けた方が良いかもしれません。
「田舎」と「地方」/あなたの都道府県はどっち?
定義が曖昧なため、都道府県で区別するのは難しいのですが、下記ご参照ください。
「田舎」
- 民家や人口が少なく、自然が多い地域。
- 人口流出等によって田畑の荒廃や産業の衰退など、いわゆる「過疎地域」と呼ばれることもある。
「地方」
- 三大都市(東京、大阪、名古屋)以外の地域すべてが「地方」(引用:国土交通省)
※地方都市:札幌市、仙台市、広島市、福岡市、北九州市。人口が100万人以上の都市
まとめ
「田舎」と「地方」の違いを紹介してきました。
- 「田舎」:自然豊かな場所・人家や人口が極端に少ない場所を表す
- 「地方」:田舎も含めた、主要都市以外の地域全体を表す
田舎にも地方にも様々な定義があり、明確な線引きがされていないのが現状です。しかし、時と場合によって使い分けができますので、必ずしも「地方=田舎」と考えず、ビジネスでは「田舎」という表現は使わない、などシーン別に使い分けてくださいね。