「カップル」「アベック」の違い/使い分けと用法例

意味はほぼ一緒の「カップル」と「アベック」という言葉は、一体何が違うのでしょうか。「カップル」と「アベック」の違いは次の通りです。

  • 「カップル」:〔couple=一対〕夫婦・恋人どうしなど、一組の男女。
  • 「アベック」:〔avec=と一緒に〕(男女の)二人連れ。

引用:三省堂「新明解国語辞典」

この意味を踏まえてこの記事では、「カップル」と「アベック」の違いや使い分けをご紹介していきます。

sponsor

「カップル」「アベック」の違いと使い分け

実際に「カップル」と「アベック」を使った例文を見てましょう。

  • 彼と彼女はお似合いのカップルです
  • 地元の中学校がアベック優勝を果たした

「カップル」とは、英語で「couple」という意味です。アベックは目の前にいることや同じ行動をとることが前提となりますが、カップルの場合は離れていても夫婦や恋人に使えます。また同性の夫婦や恋人同士にも使われます。主に30~40代の世代になじみが深く、10~20代前半の間では「リア充」と呼ばれています。

一方、「アベック」とは、フランス語の「avec」から来ています。avecとは、前置詞で「~とともに」という意味で、英語のwithと同じ意味です。男女の二人連れのほかに、二つのものが行動をともにするときにも使われます。最近は、スポーツの大会で同じ国や学校、チームなど男女が一緒に優勝したときに「アベック優勝」とニュースで報道されるとき以外、あまり聞かなくなりました。

それもそのはず、一般的に使われていたのは1970年後半~80年代まで。恋人同士を意味する言葉としても使われていたため中高年の方は馴染みのある言葉かもしれませんが、若い世代には通じないことも多いかもしれません。

「カップル」「アベック」の用法例

「カップル」の使い方 / 例文

  • 公園でイチャイチャするカップルが多いです
  • 友だちのカップルと旅行をしました

カップルは付き合っている関係のときに使います。アベックは付き合っていない男女にも使われますが、カップルは恋人同士や夫婦にしか使いません。

「アベック」の使い方 / 例文

  • 今日の試合ではアベックホームランが出ました
  • 前のアベックは怪しいです

2人の男女が恋人かどうかわからないときにもアベックは使われます。また友達かどうかわからない怪しい関係のときや、不倫や浮気などを疑う2人のことをアベックと呼ぶこともあります。

「カップル」「アベック」の違いまとめ

「カップル」と「アベック」の違いや使い方について解説してきましたが、ご納得していただけましたでしょうか。

  • 「カップル」:〔couple=一対〕夫婦・恋人どうしなど、一組の男女。
  • 「アベック」:〔avec=と一緒に〕(男女の)二人連れ。

「カップル(couple)」は英語、「アベック(avec)」はフランス語が語源。使い方は似ているように感じる「カップル」と「アベック」ですが、意味は全く異なります。

「アベック」は男女や同性同士以外にも、同じ国や団体、所属先などでも使いますが、「カップル」は男女一対の組み合わせをはじめ、LGBTが広く認知されている現在は、同性婚や同性の恋人同士にも「カップル」が使われます。

sponsor