ある一定のラインで行動などが限定される言葉を表す「制限」と「制約」。この二つの言葉の違いはなんでしょうか。
- 「制限」:限界・範囲を定めること。また、その限界・範囲。
- 「制約」:①条件を課して自由に活動させないこと。 ②物事の成立に必要な規定または条件。
引用:広辞苑
この意味を踏まえて本記事では、「制限」と「制約」の違いや使い分けをご紹介していきます。
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「制限」と「制約」の違い/使い分けと用法例
まずは「制限」と「制約」の例文を見てみましょう。
- インフルエンザの流行で休校となり、行動が制限されてしまった。
- 働きながら勉強しなくてはならず、時間的な制約があったがなんとか試験に合格した。
いずれの言葉も類似した意味を持っているものの、明確な違いがあります。
「制限」は具体的な数値による一定のラインが決められていること
制限は、ある一定のライン、つまり物事の限界値を表す言葉です。グラフの横棒をイメージしていただけると分かりやすいでしょう。
たとえば、携帯電話の「通信制限(ギガ制限)」。1ヶ月に5GBまでの契約だった場合、通信量の5GBを超えると、通信速度が遅くなりますよね。このように、ある一定のラインが設けられていることを「制限」と表現します。
「時間・場所・行動」を制限するという表現も、具体的な数値が決められている、と覚えておくと良いでしょう。
「制約」は決められた範囲内だけでの限定事項や、ルールを表す
一方で、「制約」はある範囲内だけに限定されていることや、決められていたルールを表す言葉になります。たとえば「時間、場所、行動」などは、「制限」という言葉でも表現可能だと上記でご説明しましたが、「制約」の場合は決められた枠のなかでしか行動できない、そのルールといった意味合いになります。
また、定められた範囲内だけでしか活動できないため、一定のラインまで進む「制限」とは違い、「制約」の場合はその枠内であれば進むことも後退することもできる、といニュアンスがあります。
「制限」「制約」の用法例
「制限」の使い方/例文
- 高速道路を走行中、急な悪天候により60km以下の速度制限が出された。
- 食事制限を行った結果、10kgの減量に成功した。
「制約」の使い方/例文
- 育児や介護によって働き方の制約が出たため、リモートワークを選択した。
- 働きながら勉強しなくてはならず、時間的な制約があったがなんとか試験に合格した。
「制限」「制約」の違いまとめ
「制限」と「制約」の違いや使い方についてご紹介してきました。
- 「制限」はある一定のラインが具体的な数値によって決められており、それ以上はできないよう制限されていること。イメージはグラフの横棒ラインまでの制限
- 「制約」はある枠内での限定事項や、決められたルールを表す。イメージは箱(枠)の中だけでの制限
「制限」は具体的に数値が決められていること、「制約」はある一定の範囲内だけでしか行動できないこと、というようにポイントを押さえておけば覚えやすいでしょう。