「ずつ」「づつ」は使う文字が違うのみで読み方としては全く一緒ですから、文章の前後から何となく雰囲気を感じ取り、適当に書いてしまうことが多いものですが、それぞれの意味を見てみましょう。
- 「ずつ」「づつ」:(1)分量を示す語に付いて、一定量の物事を均等に割り当てる意を表す(2)あて(3)一定の物事に付いて、その分量だけを繰り返し行う意を表す
引用:広辞苑
「ずつ」「づつ」のどちらを使っても意味は伝わる為、どちらを使ってもよさそうですが、「ずつ」「づつ」はしっかりとした使い分けのルールが存在します。
間違った使い方をしやすい「ずつ」「づつ」ですが、今後間違わないためにも双方の違いや使い分けをご紹介していきます。
「ずつ」「づつ」の違いと使い分け
- 一つずつ問題を解決していけば、きっと前向きな答えが見つかるはずだ
- 今まで続(つづ)いてきた裁判だが、ようやく終わる日が来た
どの例文も意味が通じてしまうため、意識しないと明確な使い分けが分かりませんが、違いと使い分けは以下の通りです。
「ずつ」は現代仮名遣い、基本的には「ずつ」を使う
「ずつ」は現代仮名遣い。
「ずつ」は同じ分量を均等に割り当てる、同じ量を繰り返し配分する際に使われ、公式書類や新聞・マスコミ・雑誌などは現代仮名遣い「ずつ」で表します。
「ずつ」は文化庁により現代仮名遣いとして昭和21年に定められたのち、昭和61年に改訂され現在に至っています。
昭和21年の制定の際には「ずつ」のみを使うよう推奨されていましたが、昭和61年の改定後は「ずつ」を基本使いするものの、「づつ」も容認されるようになりました。
「づつ」は歴史仮名遣い、例外的な使い方
「づつ」は歴史仮名遣い。
例えば伊勢物語の「鳥の子を十づつ十は重ぬとも思はぬ人をおもふものかは」のように、古典では「づつ」が使われてきました。
上記でも書きましたが、昭和61年の改定後は「ずつ」「づつ」双方とも間違いではありませんが、「づつ」を使う場合には例外的なルールがあります。
「づつ」の例外ルール
同じ音が2度続く場合、特に少量を繰り返し配分する状況を表す場合には「づつ」を使います。
- 「続く」「綴る」のように同じ音が2度続き、一つの言葉を成している場合
- 元の単語が「つ」、「小包」「お小遣い」のように発音する際濁音になる場合
のようなルールがありますが、「ずつ」に比べると使用頻度が低いこともあり、時として「ずつ」「づつ」のどちらを使うのか混乱する場面も珍しくありません。
迷ったら「ずつ」を使えば間違えない
よくある間違いパターンとしてあるのが
- 「少しずつ」
- 「少しづつ」
ですが、正解は「少しずつ」の方。
現代社会で「づつ」を使う場面はそう多くありませんから、大抵の場合は「ずつ」を使うことをオススメします。
「ずつ」「づつ」の用法例
「ずつ」の使い方 / 例文
- 子供は男の子、女の子一人ずついます
- 英会話は苦手ですが、毎日少しずつ勉強しています
「づつ」のの使い方 / 例文
- 小包(こづつみ)を送ったので、明日には届くでしょう
- 妹の子供へこっそりお小遣い(こづかい)を渡した
「ずつ」「づつ」の違いまとめ
「ずつ」「づつ」の違いや使い方についてご紹介していきました。
- 「ずつ」は現代仮名遣い。同じ分量を均等に割り当てる、同じ量を繰り返し配分する際に使われ、公式な場面で使う
- 「づつ」は歴史仮名遣い。少量を繰り返し配分する状況、同じ音が2度続き、一つの言葉を成している場合、元の単語「つ」、発音する際濁音になる場合に使う
基本的には「ずつ」を使えば間違いないと覚えておけば、間違えません。