物事に対して、好奇心を抱く様子を表す「興味津々」と「興味津津」という言葉。この2つの言葉に、違いはあるのでしょうか。
- 「興味津々」:「興味津津」の略語。
- 「興味津津」:興味が尽きないさま。非常に興味が引かれるさま。
引用:広辞苑
本記事では上記の意味を踏まえて、「興味津々」と「興味津津」の言葉の意味をご紹介していきます。
「興味津々」と「興味津津」の違いと使い分け
結論から言うと、2つの言葉はいずれも正解です。突き詰めると「津津」は正式な使い方で、「津々」は略語だといえます。 そのため、本記事では「興味津津(津々)」の意味についてご説明していきます。まずは例文を見てみましょう。
- ミステリードラマの結末に、興味津々だ。
- 彼は興味律律で、講話に聞き入っていた。
このように、どちらも同じ使い方ができます。「々」という文字は「踊り字」と言われており、正式には記号なのです。この踊り字は、「元々」「様々」など同じ漢字が並ぶときに使われていますが、同一の文字が並列する際に見栄えなどの観点により使われるようになりました。
ポピュラーな使われ方をしているのは「興味津々」ですが、「興味津津」と書いても問題ありません。論文や日本政府が提出している報告書などを見ても「々」の踊り字を使っておりますので、個人の好みによって分かれます。
それではここから、「興味津津(津々)」の意味についてご紹介します。
「興味津津(津々)」とは、興味が尽きないことを表す言葉
まずは、言葉の分解をしてみましょう。
- 「興味」:物事にひきつけられること。おもしろいと感ずること。心理学では、ある対象やできごとに特に関心を向ける傾向。
- 「津津」:絶えず湧き出るさま。
引用:広辞苑
「興味(物事にひきつけられること)」が「津々(絶えず湧き出る)」ため、「ひきつけられてやまない=興味津々」となります。
ちなみに、「津」という漢字は「①わたし場。船着き場。②水がしみ出る。(引用:広辞苑)」という意味と、水を表す「さんずい」がついていることから、「水」に関わることを表現しています。この漢字を「津津」と並列させることで、「絶えず(水が)湧き出る」というようにその意味を強めているのです。
時々「興味深々」と覚えている方もいるのですが、これは誤りですので注意しましょう。確かに「興味深い」という言葉もあるので間違いやすいのですが、「興味津々は、興味が絶えず湧き出ること」と押さえておけばOKです。
「興味津々」と「興味津津」の用法例
- 彼は興味津律で講和に聞き入っていた。
- 転校生が今日から来るというので、クラスの皆は興味津津の様子でした。
- ミステリードラマの結末に興味津々だ。
- 子どもはなんでも興味津々です。
「興味津々」と「興味津津」の違いまとめ
「興味津々」と「興味津津」についてご紹介してきました。
- 「興味津々」は「興味津津」の略語
- 「興味津津」は正式な言葉で、興味が尽きないことを表す言葉
結論、どちらを使っても正解です。個人の好みによるところですが、見栄えの観点、新聞や日本政府の提出資料からも「興味津々」で問題ありません。
但し「興味深々」は誤った使い方のため、使わないようご注意くださいね。