一見同じ意味のように見える「鑑賞」と「観賞」。読み方や意味合いも同じのよに見えますが、意味合いは微妙に異なっています。
- 「鑑賞」:(1)芸術作品を理解し、味わうこと
- 「観賞」:(1)見て楽しむこと(2)見て賞玩(しょうがん)すること
引用:広辞苑
意味を見てもいまいちピンときませんが、この意味を踏まえて本記事では「観賞」と「観賞」の違いや使い分けをご紹介していきます。
「鑑賞」「観賞」の違いと使い分け
「鑑賞」と「観賞」の場合、読んだだけではどんな違いがあるか分かりませんが、ここで例文を見てみましょう。
- 私の趣味は映画鑑賞。感想を書き込むブログも運営しています
- 故郷で有名な大桜を観賞した
同じ見て楽しむ状況を表すために使われること以外、例文を見ただけではどう使い分けられているのか分かりませんが、「鑑賞」と「観賞」を分けるキーポイントは「芸術」です。
「鑑賞」は人が作り出した芸術作品を楽しむ時使う
「鑑賞」は見ている対象が、人の手により作り上げられた芸術作品の時に使います。
芸術作品はじっくり時間をかけ作品を見て感動するだけでなく、自分の人生を振り返るきっかけ、人生の指針になる、自分なりの解釈で作品を楽しむなど、芸術性を感じさせるものは「鑑賞」。
映画・舞台・絵画・音楽のような人が作り出した芸術作品を見て楽しむ場合には、「鑑賞」を用いると覚えておくといいでしょう。
特に「鑑」は鑑定や鑑別・鑑識などから分かる通り、ものごとの良し・悪しを見分けるという意味、「賞」は愛(め)でる・楽しむなどの意味もあります。
「観賞」は自然にある景色を楽しむ時に使う
「観賞」は自然 にある景色・植物などをながめる際に用います。
美しい山脈や野に生えている草花・路地の木々など、自然の景色や風景・野に生えている草花のように自然にある景色をながめ、楽しむ状況を表す時「観賞」が当てはまります。
ただしフラワーアレンジメントや盆栽・鉢植え植物のような、人の手が加えられた物は「観賞」ではなく「鑑賞」へと変化。
例えば自然に生えている野草であっても、人が持ち帰り鉢植えや生け花にすることで人工物となり、鑑賞に切り替わります。
「鑑賞」「観賞」の用法例
「鑑賞」の使い方 / 例文
- 旅先の日本庭園を鑑賞したが、口コミ以上の素晴らしさだった
- 美術館へ誘われたものの、芸術鑑賞の楽しがさっぱり分からない
「観賞」の使い方 / 例文
- 新幹線から見える山脈を何となく観賞している
- 阿蘇山にある大草原を観賞する
「鑑賞」「観賞」の違いまとめ
「鑑賞」と「観賞」の違いや使い方についてご紹介していきました。
使い分けが難しいと感じているなら、
- 「鑑賞」は人が創作した絵画や音楽・小説・映画・舞台のような芸術性の高いもの
- 「観賞」は自然にあるもの、自然の景色として存在するもの
と分けるようにすれば、使い分けも簡単です。
ただし注意する点としては、自然界にあるものでも人の手が加わったり、見る人の価値観によって芸術かどうか変わってきますので、臨機応変に使い分けましょう。