一見同じ意味のように見える「介抱」と「看病」。使い方によって微妙なニュアンスが違ってきますが、どのような違いがあるのか例文を見てましょう。
- 「介抱」:(1)後見として世話をすること(2)傷病者などの世話をすること(3)看病
- 「看病」:(1)僧が病人のために加持祈祷をすること(2)みとり(3)看護(4)病気の保養(5)療養
引用:広辞苑
この意味を踏まえて本記事では、「介抱」と「看病」の違いや使い分けをご紹介していきます。
「介抱」「看病」の違いと使い分け
「介抱」と「看病」ではやっている行為自体、一見同じ意味のように見えますが、
- 忘年会で酔いつぶれた上司を介抱した
- 闘病中の父親の看病のために、有給休暇を申請した
実際には微妙なニュアンスが違います。
「介抱」は一時的な体調不良やケガ人の世話をすること
「介抱」は酒に酔い前後不能・一時的な体調不良・急なめまいなどで苦しんでいる人の世話(保護)をすることです。
特に酒の飲みすぎのせいで、自分では真っすぐに歩けないような酔っ払い、足をくじき歩けない人に肩を貸すなど、一時的な酔い・体調不良・ケガで困っている人の手助けをする際には、「介抱」を使います。
「介抱」は「看病」に比べ、短期間で立ち直れるような一時的な体調不良の場合に使われることが多いようです。
「看病」は病人の世話をする際使う
「看病」は病人の世話をする時使います。
短期で治るような症状ではなく、症状が重く病気が長引くような場合使われます。
一見「介抱」と同じのように見えますが、「看病」は肉体的・精神的な病気を患う人に付き従い世話をする際に使われ、骨折や裂傷(切り傷)のような傷を負った状況の人の世話を表す際には使われません。
「介抱」「看病」の用法例
「介抱」の使い方 / 例文
- 軽めの熱中症にかかった友達を介抱した
- 酔っ払って吐いた同僚の介抱の仕方が分からず、慌ててしまった
「看病」の使い方 / 例文
- 具合が悪いのに看病してくれず失望した
- 恋人の自宅へ看病しに行った
「介抱」「看病」の違いまとめ
「介抱」と「看病」の違いや使い方についてご紹介していきました。
- 「介抱」は酔っぱらいや一時的な体調不良の人の世話をする時使う
- 「看病」は病気の世話をする時使い、骨折や裂傷(切り傷など)の場合には使わない
例えば具合が悪くなった人を、救急車が来るまで一時的に世話をする際などには「介抱」、インフルエンザや風邪のような自宅療養する際などには「看病」が適しています。
似たような言葉で「看護」がありますが、こちらの方は業務の一環として病人・ケガ人の世話をする職業(看護師)、家族のような身内の世話をする場合には「看病」よりも「看護」を使うパターンが多いです。
「介抱」と「看護」では指し示す意味が異なりますから、正く使い分けて下さいね。