どちらも上から下に移動するという意味の「降りる」と「 下りる 」ですが、何が違うのでしょうか。「降りる」と「 下りる 」の違いは次の通りです。
- 「降りる」:①高い所から移って、地面に着く。②乗り物の中から外に出る。③露・霜などが地面にあらわれる。置く。④地位・役員をしりぞく。⑤演劇などの役を演じることをやめる。また、仕事・勝負事などに加わるのを、とちゅうからやめる。⑥高速道路から一般道路に出る。
- 「下りる」:①地面に近いほうへ行く。②(いやなものが)からだの外へ出る。③(役所などから)みとめられる。わたされる。④下がって行って、なくなる。⑤しまる。
引用:三省堂国語辞典
この意味を踏まえて本記事では、「降りる」と「 下りる 」の違いや使い分けをご紹介していきます。
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「降りる」「 下りる 」の違いと使い分け
実際に「降りる」と「 下りる 」を使った例文を見てましょう。
- 次の停留場でバスを降ります
- 使い方などご教示ください
「降りる」とは、主に高い所や地位から低い位置に移動したり、乗り物から出たりするときなどにで使われ、「乗る」や「登る」の対義語になる場合に多く使われています。
「下りる」とは上から下に移動するほか、ものが主体となって下の場所に移動するときや負担になっていたものがなくなったときに使われます。
「降りる」「 下りる 」の用法例
「降りる」の使い方 / 例文
- 避難訓練は階段を使って3階から1階まで降ります
- 次の駅で電車を降ります
- 今朝、今年初めての霜が降りました
- 会社の役員を降ります
- 東名高速を降ります
「下りる」の使い方 / 例文
- 鳥が空から地上に下りてきました
- ぎょう虫は腸管を下り盲腸周辺で成虫になります
- 許可が下りました
- 胸のつかえが下りました
- 店のシャッターを下ろします
「降りる」「 下りる 」の違いまとめ
これまで曖昧だった「降りる」と「 下りる 」の違い、使い方のおさらいとなります。
- 「降りる」:①高い所から移って、地面に着く。②乗り物の中から外に出る。③露・霜などが地面にあらわれる。置く。④地位・役員をしりぞく。⑤演劇などの役を演じることをやめる。また、仕事・勝負事などに加わるのを、とちゅうからやめる。⑥高速道路から一般道路に出る。
- 「下りる」:①地面に近いほうへ行く。②(いやなものが)からだの外へ出る。③(役所などから)みとめられる。わたされる。④下がって行って、なくなる。⑤しまる。
「降りる」とは、「高い地位や場所、立場から退く。または役などを断る、外れる」という意味で、対義語は「乗る」「登る」になります。
「下りる」とは、「上から下に移動する」という意味のほかに「許可やシャッターが下りる」という意味で、対義語は「上がる」になります。
「降りる」と「下りる」は、どちらも読み方は同じですが、意味や使い方は異なります。「降りる」「下りる」どちらを使うか迷ったら対義語を参考に判断してみることをおすすめします。
参考:三省堂国語辞典、学研教育出版「用途でわかる類語辞典」