「起点」と「基点」は一見同じような事柄を表すように見えますが、微妙な違いがあることをご存じでしょうか。
- 「起点」:(1)物事が始まるところ(2)おこり
- 「基点」:(1)距離をはかるときの、もととする点(2)基準・基礎となるところ
引用:広辞苑
この意味を踏まえて本記事では、「起点」と「基点」の違いや使い分けをご紹介していきます。
「起点」「基点」の違いと使い分け
分かりにくい「起点」と「基点」ですが、実際に十分と充分を使った例文を見てましょう。
- マラソンコースの起点は〇〇競技場です。
- この会社は〇〇県を基点として運営している。
一見「起点」と「基点」の使い方はパッと見た感じでは分かりにくく、使い分けが難しいように感じてしまいます。
出発や開始・スタート地点などを示すのは「起点」
「起点」は出発や開始・スタート地点・点・始まりの場所のように、物ごとが始まる場所や段階など、目指す目標に向かい進む時などに使う。
他にも新しい物ごとが始まる時などに「人生の起点」などのように用いたり、今までとは方向変換し違う方向に向かうのような時にも「起点」を使います。
目安や指標・判断基準などを示すのは「基点」
「基点」は目安や指標・判断基準のように、距離や時間を測定する際の基準になる、計測したポイントから距離を測定したい時に使う。
「起点」の場合、物ごとの出発点という意味があり、駅や電車・バス・道路・地図などの出発点を示す時に使われることが多く、マラソンの出発点(スタートライン)や電車など、目標や目的地に向かい進む意味を表す際には起点を用います。
「基点」の場合は、元々「基」は物ごとの中心・基本を示し、スタートや考え方の出発点、物ごとの中心点としての意味合いがあり、基点は距離・時間を示す際に用いられます。
また、基点は円の中心を表す意味もありますから、図形や計量を作成する時にも使われる表現です。
「起点」「基点」の用法例
「起点」の使い方 / 例文
- 長崎駅の起点と終点
- 今度のマラソン大会は〇〇を起点にしたコースになる
「基点」の使い方 / 例文
- 駅前を基点にして測定する
- あきらめることなく自分の意志を基点として努力し続けたい
「起点」「基点」の違いまとめ
「起点」と「基点」の違いや使い方についてご紹介していきました。
- 「起点」は目的地やゴール・終点を表す・物ごとのはじまり(スタート)を表す時、目標に向かい進む時のスタートを表すのは「起点」
- 「基点」は時間・距離・物ごとの基本・考え方の根源などを表す時、何かを計測する・時間を計る際、基準となるのが「基点」
一見「起点」と「基点」は同じ読み方ですが、一方では異なる物ごとを表す意味を示しますが、「起点」「基点」共に意味が通じてしまうため、使い方に悩んでしまう場面も少なくありません。
日本語によくありがちな2つの異なる読み方ですが、使い方を誤らぬよう注意しましょう。