「十分」「充分」の違い/使い分けと用法例

「十分」と「充分」は読み方が同じなため、どちらを使えばいいのか明確な違いが分からず悩む場面もあるかと思いますが、2つの違いを簡単に述べると次の通りです。

  • 「十分」:(1)物理的にも完全に満たされている状態(2)不足・欠点がなく物事が満たされているさま。
  • 「充分」:(1)主観的に満たされている(2)精神的に満たされている状態。

この意味を踏まえて本記事では、「十分」と「充分」の違いや使い分けをご紹介していきます。

「十分」「充分」の違いと使い分け

実際に「十分」と「充分」を使った例文を見てましょう。

  • これだけお土産を持っていけば十分でしょう。
  • 久しぶりにまとまった休みが取れたので、心身ともに充実しています。

「十分」と「充分」の大きな違いは、「十分」は物理的・数量的、「充分」は精神的に満たされ充実している状況の時、使われる傾向にあります。

客観的に満たされる状態が「十分」

腹八分目と言う言葉がある通り、1・2・3と数を重ねるごとに満たされる、物や量などの物量的な面が満たされている場合には「十分」を使います。

特に数字で大きさを表したい、数の多さなどを示したい場合に使われることが多いようです。

主観的に満たされている状態が「充分」

精神的・心理的・感情的など、主に自分の主観、感情などの目には見えない事柄、精神的に充実している状態の時に使うのが「充分」。

簡単に言うと、「十分」は目に見えるものを表す、「充分」は目に見えないものと考えると理解しやすいかと思います。

「十分」「充分」の用法例

「十分」の使い方 / 例文

  • 車を運転する際には、スマホを触らないよう十分に注意しましょう
  • 食べ物はこれだけあれば十分ですね

「充分」の使い方 / 例文

  • 充分すぎるほど頑張ったのだから、今は休んでほしい
  • 体は疲れているけれど、気力は充分に満ち足りています

「十分」「充分」の違いまとめ

「十分」と「充分」の違いや使い方について簡単に解説してきました。

「十分」は客観的に見た感じで分かる質量を表したい時、例えば「販売するには十分な数がある」「明日の会議で使う資料は十分に集まった」のように、数や状況など誰の目から見ても理解できる状況の際用いられる。

「充分」は主観的、精神的な自分目線から見た感じを時、例えば「もう充分いただきました」「そのお気持ちだけで充分です。お気遣い感謝します」のように、自分しか分からない心の動き、充実感を示す際に用いられます。

読み方が同じなだけに、大きな違いも感じにくく書いている途中で戸惑いを感じてしまうことが多いようですが、「十分」「充分」どちらにしようか迷った場合、書類や公式文書なら「十分」を使うのが無難です。

「十分」と「充分」では使い方が少々違う旨を十分に理解し、適切に使いましょう。