読み方は同じですが使われている漢字が異なる「対象」「対照」「対称」は、一体何が違うのでしょうか。「対象」「対照」「対称」の違いは次の通りです。
- 「対象」:①働きかける目標となるもの。めあて。②哲学で、意志・感覚・認識などの主観的作用が向けられるすべてのもの。
- 「対照」:①二つのものを照らし合わせて比べること。②相違が際立っている二つのものが並ぶこと。コントラスト。
- 「対称」:①互いに対応してつりあっていること。シンメトリー。②数学で、二つの点・線・面が完全に向き合う位置にあること。点対称・線対称・面対称など。シンメトリー。③二人称。
引用:明鏡国語辞典
この意味を踏まえて本記事では、「対象」「対照」「対称」の違いや使い分けをご紹介していきます。
「対象」「対照」「対称」の違いと使い分け
実際に「対象」「対照」「対称」を使った例文を見てましょう。
- 軽減税率の対象商品
- 比較対照表を見比べる
- 左右対称の図形
対象の意味
「対象」とは、目標や目的とするもので、英語では「target」(ターゲット)となります。
例えば、「調査の対象となる商品」や「10代女性をターゲットにした雑誌」「大人を対象にした絵本」というように標的やまと、目標などを指すときに使います。
対照の意味
「対照」の「照」は照らし合わせるという意味や突き合わせるという意味を持ち、英語では対照や対比、明るい部分と暗い部分との明暗の差という意味の「contrast」(コントラスト)となります。
よって「対照」とは、二つの物事を比べ合わせたり、照らし合わせたりすることという意味のほか、反対の性質をもつものが並ぶことや違いが際立つことという意味になります。
対称の意味
「対称」とは、互いに対応しながらつりあいを保っていることという意味や、2つの図形・点・線などが互いに向き合う位置関係にあるという意味です。
英語では、左右のつり合いが取れているという意味の「symmetry」(シンメトリー)となります。例えば、「左右対称の図形」とは左と右がまったく同じ図形であるという意味で、「左右非対称の図形」とは左と右が異なる図形という意味になります。
「対象」「対照」「対称」の用法例
「対象」の使い方 / 例文
- 研究の対象から外れる
- 補償の対象である
- ふるさと納税は寄附金控除の対象である
「対照」の使い方 / 例文
- 色の対照表
- 賃借対照表
- 原文と訳文を対照する
「対称」の使い方 / 例文
- 左右非対称な髪型
- 規則正しく対称的に広がる模様
- 机や椅子を対称的に配置する
「対象」「対照」「対称」の違いまとめ
「対象」「対照」「対称」の違いや使い方について解説してきました。
- 「対象」:①働きかける目標となるもの。めあて。②哲学で、意志・感覚・認識などの主観的作用が向けられるすべてのもの。
- 「対照」:①二つのものを照らし合わせて比べること。②相違が際立っている二つのものが並ぶこと。コントラスト。
- 「対称」:①互いに対応してつりあっていること。シンメトリー。②数学で、二つの点・線・面が完全に向き合う位置にあること。点対称・線対称・面対称など。シンメトリー。③二人称。
「対象」は、英語で「target」(ターゲット)。標的やまと、目標などを指すときに使います。
「対照」は英語で「contrast」(コントラスト)。二つの物事を比べ合わせたり、照らし合わせたりするほか、性質の違いがきわだつことという意味です。
「対称」は英語で「symmetry」(シンメトリー)。左右、上下など互いのつり合いが取れているという意味で使われます。つり合いが取れないときは「非対称」=「英語:asymmetry」となります。
使い分けに迷ったときは一度、英語に置き換えてみるとわかりやすいと思います。