「体を休める」という意味で使う「休養」「静養」「保養」という言葉は、一体何が違うのでしょうか。「休養」「静養」「保養」の違いは次の通りです。
- 「休養」:仕事などを休んで体力・気力を養うこと。
- 「静養」:仕事を離れて心身を休めること。
- 「保養」:(1)からだを休めて健康を増進すること。(2)美しいものを見たりして心をたのしませること。
引用:大辞林
この意味を踏まえてこの記事では、「休養」「静養」「保養」 の違いや使い分けをご紹介していきます。
「休養」「静養」「保養」の違いと使い分け
実際に「休養」「静養」「保養」を使った例文を見てましょう。
- ゆっくりと休養する
- 一カ月の静養が必要だ
- 温泉で保養する
「休養」とは仕事だけではなく、家事などによって疲労した心身を回復させるためにゆっくりと休んだり、仕事や家事を充実した状態で行えるように気力を養ったりすることです。例えば、旅行などに出かけて心をリフレッシュさせたり、睡眠を十分にとって体を休めたりするほか、趣味やスポーツをして過ごす時間は自分を見つめなおすことに繋がり、豊かな人生を過ごすことにも繋がります。体を休めるだけではなく、動かすことも休養を取る行為に入ります。
「静養」とは、健康を維持することを目的に、心身を静かに落ちつかせて休ませることです。例えば、病気の人や仕事で疲弊した人が温泉や別荘など静かに休める場所で心や体を落ち着かせてゆっくりと休むことです。心も体もリラックスした状態にして療養し病気や疲労の回復を目指す行為を「静養」と呼びます。
「保養」とは活力や気力を養うために心身を休ませて健康を促進することです。例えば、日常から解放されて観光や温泉、レジャーなどを楽しんでストレス解消をすることや、花や景色など美しいものを見て心を慰めたり、美味しいものを食べて楽しんだりすることを「保養」と呼びます。
「休養」「静養」「保養」 の用法例
「休養」の使い方 / 例文
- 適切な休養をとって疲れをためないようにする
- 肺炎の恐れがあるので大事を取って休養する
「静養」の使い方 / 例文
- 天皇ご一家は静養のため、那須御用邸付属邸に入られた
- 箱根の別荘で静養する
「保養」の使い方 / 例文
- 温泉で保養する
- きれいな花は目の保養になる
「休養」「静養」「保養」の違いまとめ
「休養」「静養」「保養」の違いや使い方について解説してきましたが、ご納得していただけましたでしょうか。
- 「休養」:仕事などを休んで体力・気力を養うこと。
- 「静養」:仕事を離れて心身を休めること。
- 「保養」:(1)からだを休めて健康を増進すること。(2)美しいものを見たりして心をたのしませること。
「休養」は気力や体力を養うことを目的に仕事や家事などを休み、「静養」は健康を維持することを目的に心身を静かに休ませます。「保養」は活力を安なうことを目的に体を休めて健康を促進することです。このように「休養」「静養」「保養」の大きな違いは「休む目的」になります。使い方に迷ったときは休む目的に着目して使い分けをしましょう。