「食物をたつこと」という意味を持つ「絶食」と「断食」ですが、一体何が違うのでしょうか。意外と知らない「絶食」と「断食」の違いは次の通りです。
- 「絶食」:食物を絶つこと。食物を体内に入れないこと。
- 「断食」:食物をたつこと。宗教上の慣習として、また祈願・抗議などをする時に、一定の期間食物を食べないこと。
引用:広辞苑
この意味を踏まえてこの記事では、「絶食」と「断食」の違いや使い分けをご紹介していきます。
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「絶食」「断食」の違いと使い分け
実際に「絶食」と「断食」を使った例文を見てましょう。
- 今度の健康診断のために前日から絶食しなければならない
- カトリック教徒は、復活祭前の準備期間中にあたる四旬節の間は断食をする
「絶食」とは、病気や治療などの目的のために食べ物をまったくとらないことを指します。健康の維持・回復を目的に強制的に絶食するケースと、ファスティングなど美容やダイエットを目的に自発的に絶食するケースの2パターンあります。
一方、「断食」とは、修行や祈願などの目的で、ある一定期間、自発的に食べ物をたつことを指します。例えば、宗教上の理由や精神鍛錬のための修行、儀礼の祈願など自発的に行う場合です。また、便通の改善などの医療的行為や政治に対し抗議するために断食をすることもありますが、いずれも自発的に実施しています。
このように、「絶食」と「断食」は食べ物をたつという行為は一緒ですが、目的が異なります。
「絶食」「断食」の用法例
「絶食」の使い方 / 例文
- 二日間、絶食した
- 胃腸の回復のため絶食療法を取り入れる
- 明日の検査のために今日から絶食する
「断食」の使い方 / 例文
- ダイエットのために3日間の断食修行をした
- 抗議の手段として断食を行っている
- イスラム教のラマダン(断食月)が始まった
「絶食」「断食」の違いまとめ
「食べ物をたつ」という意味の「絶食」と「断食」の違いや使い方についてご紹介していきました。
- 「絶食」:食物を絶つこと。食物を体内に入れないこと。
- 「断食」:食物をたつこと。宗教上の慣習として、また祈願・抗議などをする時に、一定の期間食物を食べないこと。
「絶食」とは、病気や治療などの目的のために食べ物をまったくとらないことを指し、強制的に絶食するケースと自発的に絶食するケースがあります。一方、「断食」とは、修行や祈願などの目的で、ある一定期間、自発的に食べ物をたつことを指します。宗教上の理由や修行・祈願などの精神的な理由のほかに、医療的行為や抗議行為で自発的に断食をすることがあります。
「食べ物をたつ」という行為は「絶食」も「断食」も同じですが、その目的は異なります。使い方に迷ったときは、「なぜ食べ物をたつのか」その目的を理解して使い分けをしましょう。