「なるべく」「できるだけ」の違い/使い分けと用法例

似通った意味の「なるべく」と「できるだけ」という言葉ですが、一体何が違うのでしょうか。「なるべく」と「できるだけ」の違いは次の通りです。

  • 「なるべく」:〘副〙 そうすることが可能だという見込みのもと、大きな負担がかからない範囲で、その事態が実現するようつとめる気持ちを表す。できる限り。できることなら。なるたけ。
  • 「できるだけ」:〘副〙 可能な限り。できるかぎり。

引用:明鏡国語辞典

この意味を踏まえてこの記事では、「なるべく」と「できるだけ」の違いや使い分けをご紹介していきます。

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「なるべく」「できるだけ」の違いと使い分け

実際に「なるべく」と「できるだけ」を使った例文を見てましょう。

  • なるべく早く出勤します
  • できるだけ早く返事が欲しい

「なるべく」とは、動詞「成る」の終止形に助動詞「べし」の連用形が付いたものです。「限界まで頑張らなくてもいいけれども可能な範囲で」という意味で、相手に何かを依頼するときに使います。ビジネスシーンでも多く使われている言葉ですが「なるべく」は敬語ではありません。目上の人に対して使う場合は「可能な限り」や「できる限り」という表現を使いましょう

一方、「できるだけ」とは、「これ以上できないという限界まで頑張って」という意味です。誰かに何かをお願いするときに使用することが多い言葉です。同僚や部下であれば「できるだけ」という言葉でお願いしても問題はありませんが、上司や目上の人に対しては「できる限り」や「可能な限り」という言葉に置き換えてお願いする方が望ましいでしょう。

「なるべく」「できるだけ」の用法例

「なるべく」の使い方 / 例文

  • なるべく参加するように
  • なるべく多く食べる
  • なるべく早く決める

「できるだけ」の使い方 / 例文

  • できるだけ早く寝る
  • できるだけ階段を使う
  • できるだけ暗記する

「なるべく」「できるだけ」の違いまとめ

「なるべく」と「できるだけ」の違いや使い方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 「なるべく」:〘副〙 そうすることが可能だという見込みのもと、大きな負担がかからない範囲で、その事態が実現するようつとめる気持ちを表す。できる限り。できることなら。なるたけ。
  • 「できるだけ」:〘副〙 可能な限り。できるかぎり。

どちらも「できる限り」という意味をもつ「なるべく」と「できるだけ」ですが、「なるべく」とは、「限界まで頑張らなくてもいいけれども可能な範囲で」という意味で、「できるだけ」は「これ以上できないという限界まで頑張って」という意味です。

同僚や部下にお願いするときは「なるべく」や「できるだけ」でも問題ありませんが、上司や目上の人に対しては「できる限り」「可能な限り」に置き換えてお願いするようにしましょう。

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