プレゼンや会議で意見を主張したり、議論したりする際、「根拠」と「論拠」を考えて話すことは必要不可欠です。しかし、曖昧に解釈している方は多いかもしれません。「根拠」と「論拠」の違いは次の通りです。
- 「根拠」:①ある言動のよりどころ。もと。また、議論などのよりどころ。「―のない推理」②(論)理由に同じ。③本拠。ねじろ。「敵の―」
- 「論拠」:議論のよりどころ。論証の根拠となる命題。すなわち、すでに論証ずみの命題、証明を要しない公理・公準、確実な事実など
引用:広辞苑
この意味を踏まえてこの記事では、「根拠」と「論拠」の違いや使い分けをご紹介していきます。
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「根拠」「論拠」の違いと使い分け
実際に「根拠」「論拠」を使った例文を見てましょう。
- 根拠のない噂が出回っています
- 彼の論拠はあまりにも弱いです
根拠とは、事実や出来事などの主張する確かな証拠のことで、ものごとを成り立たせるもとになるものや理由のことです。例えば、説得力のある意見を主張するには、納得してもらえるだけの根拠が必要です。根拠が弱ければ、説得力に欠ける可能性があります。
一方、論拠とは行動や主張を示す根拠のことで、議論のよりどころとなるものや理由のことです。論拠のよりどころとは確定した考えのことですので、出典の明らかではない意見や権威のない意見ですと、論拠が弱くなる可能性があります。
「根拠」「論拠」の用法例
「根拠」の使い方 / 例文
- 何の根拠もない説明ばかりです
- 彼女の主張は根拠があります
「論拠」の使い方 / 例文
- 説得力のある論拠を提示されました
- あいまいな論拠を明白にしてください
「根拠」「論拠」の違いまとめ
これまで「根拠」と「論拠」の意味を曖昧に解釈していた方も多いと思います。
- 「根拠」:①ある言動のよりどころ。もと。また、議論などのよりどころ。「―のない推理」②(論)理由に同じ。③本拠。ねじろ。「敵の―」
- 「論拠」:議論のよりどころ。論証の根拠となる命題。すなわち、すでに論証ずみの命題、証明を要しない公理・公準、確実な事実など
根拠とは主張や行動などものごとの成立させる裏付けのことで、論拠とは議論のよりどころとなる行動や主張を示す根拠のことです。これからは理解して使い分けしましょう。
参考書籍:広辞苑、山下出版「ディベートで説得・交渉に強くなる本」、三省堂「現代新国語辞典」、小学館「日本語大辞典」