一見どちらを使っても意味が通じる「生む」と「産む」。ただし正確な使い分けがあります。一体どんな風に違うのか使い分けにも迷ってしまうかと思いますが、使い方によってどのような違いがあるか例文を見てましょう。
- 「生む」「産む」:(1)母体が子や卵を対外に出す(2)分娩する(3)新たに物事を生じさせる
引用:広辞苑
この意味を踏まえて本記事では、「生む」と「産む」の違いや使い分けをご紹介していきます。
「生む」「産む」の違いと使い分け
「生む」と「産む」では一見どちらを使ってもいいように感じますが、使い方によって受ける印象は変わってきます。
- 今度生まれ変わったら猫になりたい
- 飼っている文鳥が卵を産み落とした
どちらも「うむ」と発音するため大した違いがないように見えますが、使い方次第で意味合いが変わってきます。
「生む」は出産・物を新しく生み出す時使う
生むは二つの意味があり、出産を表す以外にも、物を生み出す時に使われます。
生むは人間以外の犬・猫・鳥などの動物が生まれる場合に使いますが、小説やマンガ・絵画・音楽・経済のように人が物や効果を新しく作り出す時にも「生む」を使用します。
芸術作品の他にも図工の時間の工作、趣味のハンドメイド・DIYなど、人の手や頭の中で創造すること、そして「生む」の大きな特徴は、赤ちゃんや動物が生まれて以降、5年10年先でも「生んだ」「生まれた」と表現できます。
「産む」は出産(分娩)を表す時使う
「産む」は人間や動物の出産を表しますが、「生む」との一番の差は「産む」は出産直後を表すという点。
人間の胎児、動物の胎児や卵を分娩(出産)し体外から送り出した直後は「出産」を使います。
「生む」とは違い、人間や動物の出産を表現する時にしか使わないのも大きな特徴です。
「生む」「産む」の用法例
「生む」の使い方 / 例文
- レオナルド・ダ・ヴィンチは多くの芸術作品をこの世に生み出した
- 去年のクリスマス頃友達に赤ちゃんが生まれた
「産む」の使い方 / 例文
- 待望の第一子を帝王切開で産み落とした
- 双子の赤ちゃんを産むのは大変だった
「生む」「産む」の違いまとめ
「生む」と「産む」の違いや使い方についてご紹介していきました。
- 「生む」は人間・動物の出産やマンガ・小説・音楽など、人が作り出す芸術や創作物を表現する際など、幅広く使われる
- 「産む」は人間・動物の出産、特に分娩直後の状態を表す時使う
例えば母親目線から語る場合には「私が産んだ赤ちゃんは男の子だった」のように、母親が主語で出産直後で、出産をより強調する際には「産む」を使います。
「生む」は人間や動物の出産以外の物を作り出す場合にも使えますが、「産む」は出産限定でしか使えませんから、どちらを使えばいいか迷った場合には「生む」を使った方が、分かりやすいです。
「生む」「産む」はその場面・時間によって使い方が違ってきますから、状況に合わせ使い分けるよう努めましょう。