妊娠している女性を表す「妊婦」と「産婦」という言葉。日常でもときに使用される言葉ですが、違いはあるのでしょうか。
- 妊婦:妊娠している女性。
- 産婦:出産前後の女性。
引用:広辞苑
上記の意味を踏まえ本記事では、「妊婦」と「産婦」の違いをご紹介していきます。
「妊婦」「産婦」の違いと使い分け
「妊婦」と「産婦」では、妊娠しているのだから全く同じ意味、と思われがちですが
- 妊婦さんに席を譲った
- 産婦は出産後、身体の体型を戻すことが難しい
と、出産前と出産前後で言い方に違いがあります。
「妊婦」は、出産前までの妊娠している女性を表す
「妊婦」は、精子が卵子に着床した瞬間から、お腹のなかで子どもが大きくなり産まれる前までの女性を表現する際に使います。読んで字のごとく、「妊娠している婦人(女性)」なので「妊婦」となりました。
「妊婦さんだから席を譲ろう」、「妊婦さんは身体的にも精神的にも大変だから労わってあげよう」など、特に妊婦に対して日常的に心温まる対応をしているのを見かけますね。
余談ですが、「特定妊婦」という言葉もあります。それは政府が制定した児童福祉法による「妊娠したが、若すぎるなど様々な要因で子どもを育てられない妊婦を支援しよう」という法律が制定されており、それに該当する妊婦のことを「特定妊婦」と定義しています。国もそういった対策をしているのです。
「産婦」は、出産の直前と直後の女性を表す
「産婦」は、出産間近(妊娠して10ヶ月の時期/臨月)と出産直後の女性のことを言い表します。
なかなか聞く機会がない言葉ですが、出産の手助けをする仕事をしている方を「助産婦(※現在では助産師)」と呼びますよね。つまり、「出産直後の女性を助ける人=助産婦」なので、「産婦」と聞いたら出産間近なんだな、と分かるようにしておきましょう。
「妊婦」と「産婦」の用法例
「妊婦」の使い方/例文
- 優先席が空いていなかったようなので、妊婦さんに席を譲った
- 妊婦はつわりやマタニティブルーで身体的にも精神的にも負荷がかかっている
「産婦」の使い方/例文
- 産婦は出産後、一時的に産後うつになることがある
- 産婦には、助産師が必要不可欠だ
「妊婦」と「産婦」の違いまとめ
「妊婦」と「産婦」の違いや用法例についてご説明してきました。
- 「妊婦」は、妊娠してから出産前までの女性を表す言葉
- 「産婦」は、出産直後の女性を表す言葉
基本的には、臨月(出産直前の期間)に入るまでの女性を「妊婦」、臨月に入って出産後の女性が「産婦」だと覚えておくと良いでしょう。
ちなみに、「妊産婦」という言葉も存在します。意味は、「妊婦と産婦。出産前後の女性。」(引用:広辞苑)です。臨月かどうか分からないときに総括して表現できる言葉ですので、ぜひ状況に応じて使い分けてみてくださいね。