「唐変木」「木偶の坊」の違い/使い分けと用法例

役に立たなかったり、物事を理解しようとしない人を「唐変木」や「木偶の坊」と呼びますが、それぞれ何が違うのでしょうか。「唐変木」と「木偶の坊」の違いは次の通りです。

  • 「唐変木」:へんくつな性格で、相手の言をすなおに受け入れようとしない人をののしって言う語。
  • 「木偶の坊」:人の言う通りに動くだけで、自主的には何事をも為し得ぬ人。

引用:三省堂「新明解国語辞典」

この意味を踏まえて本記事では、「唐変木」と「木偶の坊」の違いや使い分けをご紹介していきます。

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「唐変木」「木偶の坊」の違いと使い分け

実際に「唐変木」と「木偶の坊」を使った例文を見てましょう。

  • あの唐変木がまたよくわからないことを言い始めた
  • 彼は木偶の坊のようにただ立っているだけだ

「唐変木」は、遣唐使が持ち帰った変な木の人形が語源の一つとされています。古くは江戸時代から使われ、昭和後期のころにはあまり聞かなくなりました。現在はあまり使う人がいないので若い世代の方は耳慣れない言葉かもしれません。唐変木とは、気がきかなかったり、物分かりが悪かったりする人を罵る時に使います。

一方、「木偶の坊」は、平安時代の「くぐつ」という木彫りの操り人形が語源とされています。その人形が「木偶の坊」と呼ばれるようになった理由として、「出狂坊(でくるひぼう)」からという説と、「手くぐつ」が訛った「でくる(坊)」から「木偶の坊」になったという説があり、いまだに正確なことはわかっていないようです。

なぜその人形がなぜ役立たずと呼ばれたのかというと、手足のない木の棒のような形をしていたことから無能な人に喩えたことが由来とされています。そのため、木偶の坊とは役に立たない人や気のきかない人のほか、人のいいなりになっている人に対して罵る時に使われるようになりました。

「唐変木」「木偶の坊」の用法例

「唐変木」の使い方 / 例文

  • いくら説明しても唐変木には通じない
  • とんでもない唐変木が転勤してきた

「木偶の坊」の使い方 / 例文

  • 木偶の坊よりはマシな演技だ
  • 彼は木偶の坊のようにただ見ているだけ

「唐変木」「木偶の坊」の違いまとめ

「唐変木」と「木偶の坊」の違いや使い方について解説してきましたが、ご納得していただけましたでしょうか。

  • 「唐変木」:へんくつな性格で、相手の言をすなおに受け入れようとしない人をののしって言う語
  • 「木偶の坊」:人の言う通りに動くだけで、自主的には何事をも為し得ぬ人

「唐変木」は、気の利かない人や、物分かりの悪い人を罵るときに使う言葉です。「木偶の坊」は、木の人形のように機転が利かなかったり役にたたなかったりする人を罵るときに使う言葉です。どちらも罵るときに使う言葉になります。

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