「生かす・活かす」の違いと使い分け/常用漢字で利用するなら?

生物をよみがえらせる。活用するなどの意味をもつ「生かす」と「活かす」。二つは同じような意味でありながら、互いに使いどころが限定されています。

今回は「生かす」と「活かす」の意味や違い、どのように使い分けるのかをご紹介していきます。

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「生かす」「活かす」の意味

「生かす」と「活かす」はどちらも同じような意味を持っています。

①死にかけたものを生きかえらせる。よみがえらせる。
②生命を保たせる。生きながらえさせる。
③ききめのあるように使う。活用する。

一見どちらも同じ意味を持っているので、どっちを使っても問題ないかと思われます。ですが、もっと深く意味を掘り下げていくことで、「生かす」「活かす」の明確な違いが見えてきます。

以上を踏まえて、「生かす」「活かす」の違いや使い方について解説していきます。

「生かす」「活かす」の違いと使い方

「生かす」と「活かす」それぞれの違いは、次の通りです。

  • 生かす:生命に関係
  • 活かす:活用に関係

「生かす」は生命に関係する意味をもつ

「生かす」は生命に関係する意味を持ちます。また、「殺す」の対義語となるため、生きているものに対して使用します。

生命に関係する以外に、能力を発揮させる、有効に活用するという意味も持っています。「経験に生かす」「素材を生かす」などが該当するでしょう。

「活かす」は活用という意味をもつ

対して「活かす」には活用するという意味を持ちます。

「生かす」は生命に関しての意味ですが、「活かす」には人の経験や知識、物や事に対して使われます。

「生かす」「活かす」を用いた例文

ここでは「生かす」と「活かす」を用いた例文を紹介しています。参考までにご覧ください。

生かすを使った例文

  • こいつを生かす理由などない。
  • 才能を生かす。
  • 経験を生かす。

活かすを使った例文

  • 余ったページを活かす。
  • 機械の能力を最大限に活かす。
  • 私の経験を活かす時がきた。

「生かす」は常用漢字である

「生かす」「活かす」について説明をしてきました。

しかし、実際にどっちを使えばいいのかは曖昧だと思います。広辞苑においても二つは一緒の括りとなっているので、辞書を引いたけれどもわからないという人もいるかもしれません。

ただし、「生かす」と「活かす」には決定的な違いがあります。

それは「常用漢字」であるかどうかです。

常用漢字とは大雑把に説明すると、普段は使用することがない言葉のことを指します。ちなみに新聞には常用漢字しか使われていませんので、もし勉強をする際には参考にしてみるといいでしょう。

ここでの常用漢字とは「生かす」であり、「活かす」は公文書には使用することができません。なので、どちらを使用するか迷ってしまった時は「生かす」を使いましょう。

「生かす」「活かす」の違いと使い方まとめ

以上、「生かす」と「活かす」の違いについてのご紹介でした。

今回のように常用漢字かどうかで区別される言葉があります。似たような言葉でも、同じ意味を持っている言葉の場合、常用漢字で分けることができます。しかし、常用漢字以外の法則を持っているものもあるので、全てが常用漢字と当てはめるのは早計です。

様々な角度から紐解くことをおすすめします。

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