似たようなニュアンスの漢字を用いる「意思」と「意志」ですが、いったい何が違うのでしょうか。「意思」と「意志」の違いは次の通りです。
- 「意思」:①心に思うところ。気持ち。考え。特に、ある意図をもって物事を行うとき、その行動のもとになる考えや意見。②刑法で、自分がしようとする行為に対する認識。民法で、法律上の効果を派生させようという意欲。
- 「意志」:志に従って物事を成し遂げようとする、積極的な心の働き。また一般に、(ある物事を行いたいという)考え。
引用:明鏡国語辞典
この意味を踏まえて本記事では、「意思」と「意志」の違いや使い分けをご紹介していきます。
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「意思」「意志」の違いと使い分け
実際に「意思」と「意志」を使った例文を見てましょう。
- 反対の意思を表明する
- 自分の意志を貫く
「意思」とは、何かをしようと思う考えや気持ちのことで、法律用語で使われる漢字です。例えば、刑法では、自分の行為に対する認識という意味で使われるほか、犯意と同じ意味を持つこともあります。また民法では、行為の直接の原因となる心理作用のことや、ある事実に対する意欲という意味で使われます。
一方、「意志」は、何かを成し遂げようとする積極的な心のはたらきや考え、意欲のことです。広く一般的に使用されているほか、心理学や哲学などでも使われます。例えば、ものごとをやり遂げる強い意志がないことを「意志薄弱」、
「意思」「意志」の用法例
「意思」の使い方 / 例文
- 彼と意思の疎通を図る
- 市民の意思を尊重する
- 彼女は意思が強い
「意志」の使い方 / 例文
- 退任の意志を固める
- 意志の弱い人
- 意志に反する行為
「意思」「意志」の違いまとめ
これまで何となく使っていた方も多い「意思」と「意志」の違いや使い方をご説明しました。
- 「意思」:①心に思うところ。気持ち。考え。特に、ある意図をもって物事を行うとき、その行動のもとになる考えや意見。②刑法で、自分がしようとする行為に対する認識。民法で、法律上の効果を派生させようという意欲。
- 「意志」:志に従って物事を成し遂げようとする、積極的な心の働き。また一般に、(ある物事を行いたいという)考え。
「意思」とは、何かをしようと思う考えや気持ちのことで、民法や刑法などでよく使われる漢字です。公的な意見や団体の意見をはじめ、法律では「意思」を使います。
一方、「意志」は、何かを成し遂げようとする積極的な心のはたらきや考え、意欲のことです。「意志」は広く一般的に使われているほか、心理学や哲学などの文学でも使われています。積極的な気持ちや考えという意味で使うときは「意志」を用いるケースが多いです。